月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

第4回日本酒の会のお話

2012-11-09 | 美味しいもの
この10日ほど珍しく忙しかったのでなかなかアップできず、2週間も経ってしまったが、10月27日(土)に我が家で開催した「第4回日本酒の会」のお話。
第1回「酒造りのロマン」、第2回「米と水」、第3回「花見酒・新酒」とテーマを決めて開催してきたが、第4回は秋にしか飲めない「ひやおろし」を中心にラインアップした。

今回は史上最大の12名(私と夫を含む)。
ほとんどいつもの「酒愛好家」メンバーだが、初参加も3名ほど。
私はかなり気合を入れて日本酒を仕入れ、マリアージュを考えた料理を選んで臨んだ。

まずは、ビールで乾杯。
最初のアテは
・豆腐とひじきの胡麻風味サラダ
・大人のポテトサラダ(燻製卵入り)

どちらも私の最近のお気に入り。
結構濃い味付けだが、ビールには合う。

落ち着いたところで1本目。
「風の森 純米大吟醸 しぼり華 秋津穂」


今回、唯一の大吟醸。
スパークリングワインのような微発泡感があり、食前酒にぴったり。
穏やかでフレッシュな香りとキレイな酸。
しっかりと旨味はあるけれど、繊細で透明感のある味わいは、お米から造られたとは思えないほど。
「日本酒だけは苦手」なんて言う人に、こういう日本酒があるということを、もっと伝えていきたいと思っている。
皆も納得の旨い酒だった。

2本目は「天遊淋 手作り純米 秋純」


一言で表すなら、「爽やか」。
スッキリとした、やや辛口のお酒。
ちょっと洋風な料理に合うのではと思い、用意したのは<冷たい前菜>で、
・ホタテのカルパッチョ


・茄子のイタリアンマリネ


どちらも自信作!!
夫は酸っぱいのが苦手なので、以前イタリアンマリネを作ったとき、「すっぱ!」と言っていたので皆の反応が不安だったが、あやが「これくらいでいいよー」と優しく言ってくれたので、ホッとした

3本目は「宝剣 純米生 白ラベル」


今、「好きなお酒は?」と聞かれたら、たぶん「宝剣」と答えると思う。
これは春秋限定の9号酵母で醸したものだが、私の好きな「超辛口純米」も本当に美味しい。
超辛口といっても旨味があるのが、宝剣の素晴らしいところ。
こちらはもう少し甘みがあるが、それでもやはりやや辛口ながらスッキリとしている。
そして、水が柔らかい。
この宝剣の水の柔らかさを舌の上で感じるのが私の至福のときだ。

合わせたのは、<お造り>
・戻り鰹のたたき


・鮪の利休和え


次の料理に時間がかかっていたのだが、ふみこがお漬物を持って来てくれたので、それでつないだ。


きゅうりは食べられない私なので感想は言えないが、長いものお漬物はわさびがピリッと利いていて、本当においしかった。

4本目は「石鎚 特純 ひやおろし」
好きなお酒だなぁ・・・


家族だけで造っている小さな酒蔵で、素朴な味わいなんだけど、丁寧に造っている感じが味わいから伝わってくる。
食中酒としてバツグンに旨い。
合わせたのは、<温かい前菜>で、
・油揚げの葱味噌焼き

↑ちょっと焦げた・・・

・秋刀魚の燻製(塩・バジル)

↑こちらは夫が作ってくれて、皆から「おー!」っという声が上がった。

5本目は「伯楽星 特別純米 生詰」
こちらも究極の食中酒を目指している蔵で、料理に合わせると真価を発揮する。
ちょっと葡萄みたいな味わい。独特の旨さ。
宮城の酒は、基本的に魚に合うということで、秋の味覚、秋刀魚を用意した。

・秋刀魚のみぞれ煮


これがとても好評だった。
揚げて煮るだけの簡単な料理だけれど、絶対的に酒に合う。
なんともたまらん。

6本目は「奥播磨 山廃純米 生酒」のつもりだったのだが・・・
この会の最初に前代未聞のハプニングが・・・!
なんと、私が最初の1本を日本酒専用冷蔵庫から出そうとした瞬間、あまりにたくさんの日本酒を入れていたものだから、後ろから崩れて全部が倒れ、この1本が割れてしまったのだった

人生で初めてだが、「1升瓶」が割れるって、想像以上にすごい!
床があっと言う間に日本酒の湖!!
拭いても拭いてもまだあふれる。
皆が協力してくれて、拭いたりガラスを集めたり・・・
私のミスで本当に迷惑をかけてしまった

しかし、「日本酒のいい匂い!」という声も聞こえ、「ああ、みんな酒飲みなんだなぁ」と改めて思ったり・・・

そんなわけで、本当は合わせるはずの料理は後回しになり、
6本目は「王祿 超辛口純米 冷や降ろし」に(写真なし)。

料理は、おじいさん料理が得意な私の真骨頂!
酒の肴3種盛り!


左から、
・蓮根と糸昆布のきんぴら
・ブロッコリーとインゲンの黒胡麻和え
・牛肉とごぼうの旨煮

そして、割れた奥播磨と合わせるはずだった肉料理もついでに。
・野菜たっぷり変わりつくね


・豚肉の味噌漬焼き(写真なし)

7本目は「澪標 特別純米 オオセト」
最近好きになったお酒だ。
旨味はしっかり、でもすっきりとまろやかに飲めるお酒。


合わせたのは、前から食べたかった「嬉野温泉の湯豆腐」。
ネットで取り寄せた。


こちらは豆腐だけでなく、嬉野温泉の水もついていて、この水で湯豆腐をすると、とろとろになるのだ。
胡麻醤油のタレもついていて、おいしかった。

8本目は「悦凱陣 山廃純米酒 無濾過生 オオセト」
これは、日本酒からではなく、料理から先に決めてあわせるのはこれしかないと思った。
揚げ物に合うお酒の代表だ。


合わせたかったのは、これ。カリカリ衣のメンチカツ。


メンチカツなんて普通にあるもので、わざわざ出す料理でもないと思うかもしれないが、衣は美味しいバゲットを手で細かくちぎってパン粉にしている。
料理が上手とか下手とか関係がない。
このひと手間を面倒がらないところが私のいいところだ(笑)
だから「カリカリ衣」なのだ。
これは本体よりもカリカリ衣が生きている。

9本目は「白隠正宗 山廃純米 山田錦」
こちらは燗にした。

合わせるのはぜひクリーム系にと思い、
・秋の味覚「きのこのグラタン」に。


これが後で聞けば「めっちゃ美味しかった」らしいのだが、私は食べることができなかった・・・残念。

10本目は「不老泉 山廃仕込純米 木桶仕込 ひやおろし」
これを選んだのは、滋賀県出身のあんこちゃんが「ぜひ皆さんに鮒寿司の美味しさを知ってほしいから持って行く!」と言っていたから。
地のものには、地の酒を、ということで、滋賀県の不老泉をセレクト。
鮒寿司初体験の人も多かったが(私も)、食べやすいものを選んでくれただけあって、チーズみたいで本当に美味しかった!
これならいける。
でも、写真がない・・・

11本目は「篠峯 愛山 純米 無濾過生」
愛山というお米は甘みがある。
ちょっとデザート酒としていいかなと思い、自家製のレーズンバターを用意した。


もう1本、12本目に「酒屋八兵衛 純米酒 19BY」というのがあったのだが、写真なし。
夫が作ってくれたスモークチーズを合わせた。

最後にシメとして、「鯖そぼろご飯」を。
土鍋で炊いたごはんと、鯖そぼろを用意。
もうお腹いっぱいで食べられないかと思ったら、やはりシメは別腹らしい・・・
ペロリとなくなった。

これで日本酒の会はおしまい。
あとはデザートやコーヒー紅茶で。

今回、私は初めて満足した。
というのも、最後まで記憶があったからだ(笑)
いつもは「え?あの料理、いつ出したの?」と不思議なくらい記憶なしで料理をしているのだが・・・

しかし、一番盛り上がったのも今回だった。
みんな酔っ払っているのか、とにかく声がでかい。
12人もいるのだから、もう大変。
新しい日本酒をあけるとき、「はい、皆さん、聞いてくださいよー!」と私が大声をあげないといけないほどで。
でも、みんなが楽しそうで、それが嬉しくて、夫とキッチンで顔を合わせるたびに「よかった。みんな楽しそう」と言い合った。

私が料理をしていると、としくんが寄ってきて、「この家は自由やなー」と言った。
確かに・・・

料理やお酒以外の写真をバシバシ撮ったのも初めてのこと。
後でもらった写真を見たら、みんな弾けて楽しそうだった。
私も本当に楽しかった

来年もまた開催予定。
1年に1度の私のお楽しみ。
みんな「料理が大変でしょう」とか気遣ってくれてありがたいけれど、本当は一番楽しんでいるのは私なのだ

今はまだライターでいいけど、15年後、本当に「小料理屋バー」ができたらいいなと思っている。
それも、夫と二人で。
カウンターに、得意のおじいさん料理をいくつか並べて。
美味しい日本酒とウイスキーを揃えて。
なんならワインを選んでくれる友達もいるし、それも置いて。
そして、これがすごく大事なことなんだけど、単なるバーじゃなくて、ブルースバーにする。
アマチュアでもブルースをやりたい人がいれば、ライブができるようにして。
私は毎晩、生のブルースを聴いて楽しむのだ。

店名はもう決まっているんだ。
「マザーズ・ウォーター」
母の水。
つまり、酒の造りで言うところの「仕込み水」。

美味しい料理と美味しいお酒で自分を仕込んで、また明日、日常で頑張ってくださいと、そんな想いをこめた名前。
今はまだ、自分自身しか仕込めないけど、いつか私が大好きな美味しいもので、人を幸せにできたらいいな。
そんな夢もある。
でもそれは、当分先の話。

家のローンが2年半で6分の1終わった。
なんとか二人で頑張って働いて、このペースで15年で完済したいと思っている。
それが実現したら、15年後、もしかしたらこんな夢も叶うかもしれないな。
だから、今は二人で一生懸命働く。

まあ、15年後はどうなってるかわからないけれど、そんな選択肢もあると思ったら、なんだかワクワクするね!


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8 コメント

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おいしそ~!! (もんちゃん)
2012-11-10 19:53:07
メンチとか湯豆腐とか・・・
お酒は全然関係ないけど・・・
おいしそうやわ~。

この写真って携帯で撮ったん?
めっちゃ質感が
返信する
Unknown (かおり)
2012-11-11 11:07:41
もんちゃん

写真は、あんこちゃんがいいカメラで撮ってくれてん。
やっぱり携帯とは違うね!

私は個人的に、つくねの「テリ」具合がたまらん

メンチカツとか気になる料理は、今度大阪来たら作っちゃる!
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Unknown (あんこ)
2012-11-11 14:31:38
かおりん、第4回の日本酒の会では大変お世話になりました。
秋にしか飲めない「ひやおろし」のラインナップも、お料理も最高においしく楽しかった。
が、自らカメラマンを引き受けるとか言っておきながら、やはり後半酔っぱらってしまって、お料理やお酒の写真が抜けまくっていてホントに申し訳ない…

毎年のことながら、後半ひど~い酔っぱらいになってしまう自分をおおいに反省しています。
かおりんとさとしくんの小料理屋さん計画、むっちゃ楽しみやわあ。15年後か…。それまであんこもがんばらなあかんな(何をやねん)
とにもかくにもお二人さん、ホントにありがとう。
そして今回もご迷惑をおかけしたメンバーの皆々様、この場を借りてお詫び申します。
懲りずにまた、おつきあいよろしくお願いしまあす
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そうか~ (もんちゃん)
2012-11-11 19:51:46
いいカメラやったんか~w

わたしは、さんまの燻製の皮の感じが一番たまらん・・・と思ったw

帰ったらよろしくお願いします
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Unknown (かおり)
2012-11-12 13:42:25
>あんこちゃん

なんも反省する必要ないよー(笑)
あんこちゃんが酔っ払ってると気づかないほど、あまりしゃべらんかったね。
またゆっくり飲みに行こう。

写真は、もんちゃんも書いてくれているように、すごくきれいでよかったよ!
全部揃ってないのも別に構わないし・・・
またよろしくね~
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せやねん (かおり)
2012-11-12 13:43:49
>もんちゃん

やっぱりカメラが違うと料理もおいしそうやね!
秋刀魚は、旬の時期に帰ってきてくれんと無理やけど、鯖とか別の魚でもいけるし、また燻製もするね。




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ありがとう (とし)
2012-11-15 08:58:18
すごい楽しかったです。きれいどころを目の前に美味しい料理とお酒であっという間に酔ってしまいました。12本はすごいねやっぱり。写真をみても思い出せないものが・・・多々あり。
だんなさんに会の途中に首を折れて眠っている私の写真を見せてもらいました。なんともまあ、幸せそうな顔でした。夢の中でも楽しかったのでしょう。いい時間をどうもありがとう。
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いい夢を (かおり)
2012-11-15 10:25:19
>としくん

今回は、早々とお休みでしたね(笑)
珍しいなぁ、疲れているのかなぁと思っていました。

ハードワークの中、来てくれてありがとう。
そして、素敵な「酒愛好者」たちを紹介してくれてありがとう。
いい人たちと飲むと、楽しいです。

次は春先のワイン会でしょうか。
春の日本酒の会は開催するか迷い中。(夫はやる気のようですが、あの人は何もしないから・・・)
私はまだ「燃え尽き」のままで、何も出てきません。
春の風を感じる頃には、ふつふつとやる気が出るかもしれませんが。
そのときは、またよろしく。

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