久しぶりに石田衣良氏の小説を読んだ。
『北斗 ある殺人者の回心』 著者:石田衣良
ここ数年、「池袋ウエストゲートパーク」シリーズを除いては、氏の作品を読んだことはなかった。
恋愛小説や官能小説っぽいものを出しているのは知っていたが、手に取ろうという気が起きなかったのだ。
しかしこれは酔っ払って入った本屋で、何気に手に取って購入。
ページをめくるたびに身を引き裂かれるような辛い気持ちで読み進めた。
久しぶりに、のめりこんだ。
両親から酷い虐待を受けて育った少年「北斗」が、殺人を犯す。
捕まって裁判が始まり、判決がくだされる。
ざっくりと、本当にざっくりとあらすじを話せばそういうことになるのだが、虐待に耐える子供時代や殺人を犯すまでの経緯とその心情の細やかな描き方が見事だった。
そして、私がこの単純なあらすじに書かなかった重要なことがある。
それは、北斗の殺人の理由だ。
虐待を受けて心が荒んだ末の無差別殺人だとか、両親や世の中への復讐とか、人間としてきちんと成長できずに自暴自棄になっての犯行とか、そういうことではないのだ。
むしろ、その反対の行動であり、悪い偶然が重なった悲しい結果であることに胸を打たれた。
この本を読んで、改めていろんなことを考えた。
親と子の関係とは?
虐待する人間の心理は?
何が正義で何が悪なのか?
社会のあり方とは?
血のつながりとは?
人が人を裁くということは?
死刑制度はあるべきなのか?
生きるということは?
私は、殺人やその他の罪を犯す人間を擁護する気はさらさらない。
だが、罪を犯した人間が特別な存在なのではなく、自分自身も誰しもがそうなる可能性はあった、ということを感じた。
それを謙虚な気持ちで認めるところから始めなければ、この世に蔓延する多くの犯罪をどうすればなくせるかもわからないような気がする。
いろんな問いかけのある作品だった。
書きながら、北斗の感情を追いながら、自分の心もすり減らしていたであろう著者の姿が浮かぶような、そんな魂のこもった作品でもあった。
『北斗 ある殺人者の回心』 著者:石田衣良
ここ数年、「池袋ウエストゲートパーク」シリーズを除いては、氏の作品を読んだことはなかった。
恋愛小説や官能小説っぽいものを出しているのは知っていたが、手に取ろうという気が起きなかったのだ。
しかしこれは酔っ払って入った本屋で、何気に手に取って購入。
ページをめくるたびに身を引き裂かれるような辛い気持ちで読み進めた。
久しぶりに、のめりこんだ。
両親から酷い虐待を受けて育った少年「北斗」が、殺人を犯す。
捕まって裁判が始まり、判決がくだされる。
ざっくりと、本当にざっくりとあらすじを話せばそういうことになるのだが、虐待に耐える子供時代や殺人を犯すまでの経緯とその心情の細やかな描き方が見事だった。
そして、私がこの単純なあらすじに書かなかった重要なことがある。
それは、北斗の殺人の理由だ。
虐待を受けて心が荒んだ末の無差別殺人だとか、両親や世の中への復讐とか、人間としてきちんと成長できずに自暴自棄になっての犯行とか、そういうことではないのだ。
むしろ、その反対の行動であり、悪い偶然が重なった悲しい結果であることに胸を打たれた。
この本を読んで、改めていろんなことを考えた。
親と子の関係とは?
虐待する人間の心理は?
何が正義で何が悪なのか?
社会のあり方とは?
血のつながりとは?
人が人を裁くということは?
死刑制度はあるべきなのか?
生きるということは?
私は、殺人やその他の罪を犯す人間を擁護する気はさらさらない。
だが、罪を犯した人間が特別な存在なのではなく、自分自身も誰しもがそうなる可能性はあった、ということを感じた。
それを謙虚な気持ちで認めるところから始めなければ、この世に蔓延する多くの犯罪をどうすればなくせるかもわからないような気がする。
いろんな問いかけのある作品だった。
書きながら、北斗の感情を追いながら、自分の心もすり減らしていたであろう著者の姿が浮かぶような、そんな魂のこもった作品でもあった。
池袋シリーズのマコト、いいキャラしてます。数が多すぎて読みきれていません。他には、学校ものが好き。
「5年3組リョータ組」
あとは、
「4TEEN」
「6TEEN」
劇団物の
「下北サンデーズ」 も佳作かな。
北斗、新刊ですよね。これ、かなり力を入れたとか、宣伝文にあったような気がします。
北斗、というとつい、健介さんの奥さんのイメージが湧いてしまいます(汗)
奥田英朗も面白いなと思いました。
荻原浩、重松清とかはお好きですか?
伊坂幸太郎は読みますか?
おすすめというか、これが好きだと挙げる作品があれば、ぜひ教えてください。
「SOSの猿」は、うっと違和感ありでした。
石田さんの作品で好きなのは、
同じく「4TEEN」と、あとは「アキハバラ@DEEP」です。
それと、池袋シリーズが一番好きで、全部読んでいます。
奥田英朗、萩原浩、重松清も好きですよ。
一時期、結構読んでいました。
萩原浩は今パッと本棚を見ただけで9冊並んでいました。
「僕たちの戦争」がダントツで好きです。
伊坂幸太郎、もちろん詠みます!
ほとんど読んでいると思います。
ベスト5、決まっています。1位から、
「チルドレン」
「死神の精度」
「ゴールデンスランバー」
「陽気なギャングが地球を回す」
「アヒルと鴨のコインロッカー」
ですね。
中でも「チルドレン」と「ゴールデンスランバー」は秀逸だと思っています。
「SOSの猿」は私もあまり・・・でした。
最近の作品は何を読んでもうーん・・・って感じです。
時期で言えば、ゴールデンスランバー以来、いいと思うものは現れていませんね。
冗談はさておき、
確かにゴールデンスランバー以後は、作風がかわったようです。読者に気に入られるかは別として、SOSの猿は自信作のようでもある。挑戦に読者がついていけないのか? 作り手は常にそういうものと戦っているのだろうなとは思います。
ベスト5は、ほぼ同じです。理想的。
挙げてくださった、石田、荻原作品ありがとうございます。探してみます。
女性作家では、小川洋子さんがしっくりくるんですが、まるきり正反対というのも読みたい気もします。どういった作家タイプを選べばいいですかね?
お暇ありましたらよろしくお願いします。
小川洋子さんは、「博士の愛した数式」「ミーナの行進」「妊娠カレンダー」など、代表的なものと短編集をいくつか、しか読んだことがないのですが、
私の中では結構「当たりハズレがあるな」という感じの作家さんです。
めちゃくちゃいい!か、読み進めるのが苦痛なほど面白くないか・・・。
女性作家で「まるきり正反対」というのが、残念ながら思いつかないのですが・・・
女性作家で過去に好きだったのは、鷺澤萠さんです。
亡くなられましたけど、今生きていらっしゃったらどんなものを書かれていたのかな、とたまに思います。
村山由佳さんの「星々の舟」や「野生の風」は好きですね。彼女は言葉の使い方がとても上手で、ボキャブラリーも豊富で、一時期はとても参考にしていました。
女性作家では、あとは瀬尾まいこさん。
「優しい音楽」「図書館の神様」「天国はまだ遠く」
佐藤多佳子さん。
「しゃべれどもしゃべれども」「黄色い目の魚」
時代小説はどうですか?
高田郁さんの「みをつくし料理帖」
読まれているものも多いかもしれないですね。
ご参考までに^^