月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

幸せをかみしめる毎日

2019-08-28 | 癌について
来週、5日から抗がん剤治療のための入院が決まった。(3泊4日)
今日手続きに行ってきた。

終わるとちょうどお昼頃だったので、好きなお店で「ふわとろオムライス」を食べた。
4ヶ月に1度の定期検診の時、いつもここでオムライスかハンバーグを食べるのが楽しみなのだ。
毎回、結構本気でどちらにするか悩む。でも、3回に2回はハンバーグに軍配が上がる。

ここのハンバーグは最高に美味しい。
外で食べる美味しいハンバーグって、デミグラスソースにこだわるなど「外でしか食べられないプロの味」のものが多いが、私はそういうのは嫌なのだ。
あくまでも家庭の味。その頂点。
ここのハンバーグは私が作るハンバーグと似ている。その系統の最高峰という感じ。

オムライスもそう。自分が作る味に似てるけど、それをもっと美味しくして、卵をとろとろにしたものなのだ。
今日は悩んだが、ちょっとハンバーグが胃に重く感じたので、久しぶりにオムライスにした。
やっぱり卵とろとろで美味しかった。(サラダ・スープ付き 950円)

その後、花屋で黄色いガーベラを買った。
今、家の花壇は植え替え時期で、ほとんど何も咲いていないから。



花を活けてから、今後の細かい予定を仕事先に連絡した。
入院までちょうど1週間。抱えている原稿は3本だけなので、終わらせておきたい。

「退院してからの副作用ってどんな感じだったっけ?」と、自分のブログを見直してみた。
すごい!詳細が綴られていて、めちゃくちゃ参考になる。やっぱり記録は大事だ。(参考にしたくなかったけどね)
もう副作用の痛みなど忘れていたが、読むとまあまあしんどそうだ。
とは言え、ピークを過ぎたら普通に生活しているし、出張も行っている。

驚くのは3クール目の投与から1週間後には取材に行き、翌週、その翌週と連続で東京出張。さらに北海道まで出張している・・・。
「どんなパワフルやねん!」と自分で自分にツッコんだ。

安心するなぁ・・・。
やっぱり「頑張ってきた過去の自分」にはいつも助けられる。そういうことなんだな、うん。
本で読んだことでもない、他人の体験談でもない、過去の自分が実際にやったことだから素直に信じられる。勇気をもらえる。

抗がん剤治療を受けると決めて、復活までの計画書を作成してからというもの、目に見えて元気になっている。
試しにわざと「マイナスのこと」を考えようとしても、考えることができない。完全に思考がブロックされている。
体調もさらによくなってきて、3年前の後遺症だった「下腹部のシクシクした痛み(これはずっとあったが異常ではなかった)」すら、なぜか消え去ってしまった。
今もう一度検査したら、何も映らないんじゃないかと思う。

結局、「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせているうちは、まだダメなんだなと思った。
今のように、とにかくいいことしか考えられず、どちらかと言えば「ウキウキした状態」までこないと。
本当に、強がっているわけでも何でもなく、ただただ元気。

それに、1日に何度も何度も「幸せだなぁ・・・」という言葉が勝手にこぼれる。
ブログを見たという人、何人かからも、「何かできることがあれば」というメールをもらい、そういう人のやさしさに触れるたびに「幸せだなぁ・・・」とつぶやいている。
朝から晩までずっとニコニコしている。

今朝は、「復活したら、『私はこうしてガンを治した』っていう本を書こうか」と夫と話していた。
本当にそれはいいかも!
他の人の参考になれば、私も嬉しいし・・・。って、まだ治療も始まっていないのに。

とにかく毎日毎日、周りの人のやさしさに包まれて、私は幸せだ。
「かおりはほんま、周りの人に愛されてるなぁ・・・」と夫が言う。
私は、そう言われて嬉しくて、にへらにへらと笑っている。

もしかしたら、それを確かめたくて、自分の存在を確立したくて、私の中のガンが目覚めたのかもしれないなと、そんなことを思う。
みんなに相手にされずに、かまってほしくて暴れる子供みたいに。

そう思うと、不思議なんだけれど、ガンはもう悪者には見えなくて。
私の中の、一番弱くて、一番わがままで、一番本当の私に近いものに思えてくる。

そうすると、ガンは怖くなくなって、愛しいとすら思うのだ。
顔つきは悪いけど、私の一部であることには間違いないし。

今はこう思っている。
治すのは医者でも薬でもない。
私が作ったガンだから、私が必ず治してみせる。

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