「社長、お客様ですよ」
その時、受付の女子事務員が来客があることを告げた。
社員には会社の状況をまだ話していない。勘のいい社員はうすうす気付いているかもしれないが、とりあえずギリギリで給料は払っているので表立った騒ぎはまだ起きていない。
だが、近い将来倒産となればこの女子社員も失業してハローワーク通いになってしまうのだろうと思うと心が痛んだ。
その女子社員に案内されたらしく、社長室の扉の前には、濃紺色のスーツで身を固め黒いバックを持ったひとりの男が立っていた。
「どちらさまで・・」
「初めまして、私、こういうものでございます。」
男は、そう言いながら名刺を差し出した。
『セレモニー・ビレッジ・コーポレーション 浦河 歩』と書いてある。
「ええ・・と、・・」
反応に困っていると、
「葬儀屋、でございます」
「はあ、葬儀屋さんですか・・今、用事はないなぁ」
もしかしたら近々お世話になるかもしれない、なんという皮肉な営業マンだろう・・山田社長は、思わず口端をひねって自虐的な笑いを浮かべ、もう一度名刺を見てみておかしなことに気がついた。
その時、受付の女子事務員が来客があることを告げた。
社員には会社の状況をまだ話していない。勘のいい社員はうすうす気付いているかもしれないが、とりあえずギリギリで給料は払っているので表立った騒ぎはまだ起きていない。
だが、近い将来倒産となればこの女子社員も失業してハローワーク通いになってしまうのだろうと思うと心が痛んだ。
その女子社員に案内されたらしく、社長室の扉の前には、濃紺色のスーツで身を固め黒いバックを持ったひとりの男が立っていた。
「どちらさまで・・」
「初めまして、私、こういうものでございます。」
男は、そう言いながら名刺を差し出した。
『セレモニー・ビレッジ・コーポレーション 浦河 歩』と書いてある。
「ええ・・と、・・」
反応に困っていると、
「葬儀屋、でございます」
「はあ、葬儀屋さんですか・・今、用事はないなぁ」
もしかしたら近々お世話になるかもしれない、なんという皮肉な営業マンだろう・・山田社長は、思わず口端をひねって自虐的な笑いを浮かべ、もう一度名刺を見てみておかしなことに気がついた。
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