シャインが部屋を出て行くのを確認すると、ヤーコンは低い声でジニーに聞いた。
「ところで、母国の動きはどうですか」
「はい、ケイン殿下が行方不明になったことは伏せられていますので、とりあえず影武者を立てて表面上は何事もなかったかのように誕生日式典の準備がすすんでいます。しかし、期限まであと一ヶ月を切っていますので、女王陛下のご心配ようは尋常でないご様子。白大魔導師ジュンサイ様をジアスまで派遣されたとのことです」
「なんと、ジュンサイ様を国境の町まで派遣とは・・」
「ですので、2日後にはジュンサイ様と合流されて帰国ということになると思います」
「そうか、ジュンサイ様まで・・、まあ、ケイン様は『天の国』が800年待ち焦がれた男子の王族。天神の力を手に入れられるかの瀬戸際だからな」
「天神の力?」
「そうか、ジニー殿は知らなんだか。フム、この際だからジニー殿にも知っておいてもらった方が良いかもしれん。ケイン様が無事帰り着けば、このアジトにも大きな影響が出るはずだからな」
ヤーコンは、そう言うと両手を口元の前に上げ、特殊な形の印を結ぶとなにやら小声で呪文を唱えた。呪文を終え、印を解いたヤーコンは「周りには誰もいないな」とつぶやき話を続けた。
「それは、王族と一部の魔導師にしか知られていない、『天の国』に伝わる古の石板の伝説といわれている。その石板とは宮殿の最上階、すなわちこの世で最も天に近いとされる、聖なる「操りの間」にあった透明な石板で、それを持つ者の頭に直接語りかけてきたという。その言葉によると、王族の男子で碧玉色の瞳を持つ者が、15歳の誕生日に「神座」に座ると天神の力を手に入れ、混乱した地上を平定し全世界を治める・・という内容のものだったそうな。これが、天神の力の伝説といわれているものだ」
「ところで、母国の動きはどうですか」
「はい、ケイン殿下が行方不明になったことは伏せられていますので、とりあえず影武者を立てて表面上は何事もなかったかのように誕生日式典の準備がすすんでいます。しかし、期限まであと一ヶ月を切っていますので、女王陛下のご心配ようは尋常でないご様子。白大魔導師ジュンサイ様をジアスまで派遣されたとのことです」
「なんと、ジュンサイ様を国境の町まで派遣とは・・」
「ですので、2日後にはジュンサイ様と合流されて帰国ということになると思います」
「そうか、ジュンサイ様まで・・、まあ、ケイン様は『天の国』が800年待ち焦がれた男子の王族。天神の力を手に入れられるかの瀬戸際だからな」
「天神の力?」
「そうか、ジニー殿は知らなんだか。フム、この際だからジニー殿にも知っておいてもらった方が良いかもしれん。ケイン様が無事帰り着けば、このアジトにも大きな影響が出るはずだからな」
ヤーコンは、そう言うと両手を口元の前に上げ、特殊な形の印を結ぶとなにやら小声で呪文を唱えた。呪文を終え、印を解いたヤーコンは「周りには誰もいないな」とつぶやき話を続けた。
「それは、王族と一部の魔導師にしか知られていない、『天の国』に伝わる古の石板の伝説といわれている。その石板とは宮殿の最上階、すなわちこの世で最も天に近いとされる、聖なる「操りの間」にあった透明な石板で、それを持つ者の頭に直接語りかけてきたという。その言葉によると、王族の男子で碧玉色の瞳を持つ者が、15歳の誕生日に「神座」に座ると天神の力を手に入れ、混乱した地上を平定し全世界を治める・・という内容のものだったそうな。これが、天神の力の伝説といわれているものだ」