俺は、加速剤の効用がピークを過ぎ、徐々に萎んでいく気分を自覚しながら、女の子の声が聞こえた廃墟に進んだ。扉のない廃墟の入り口には、あのクリス博士そっくりの少女がこちらを見て立っている。
まだ、加速剤の影響で鋭敏になっている俺の視覚は、少し離れた場所に倒れているイスラン兵の動きを捉えた。その兵士は、やられたフリをして倒れていたのか、倒れたまま拳銃を持ち上げ、少女の方を狙っている。
俺は、加速剤の副作用でどんどん鈍くなる感覚を奮い立たせ、もつれる足に活を入れ少女に飛びついた。
同時に、銃声が響いた。
俺は、少女を廃墟の入り口から部屋の奥へタックルで避難させることに成功したが、左足に焼けるような痛みを感じた。
部屋の中の砂の上に二人で転がり、そのまま少女の身体を守りつつ伏せの姿勢をとった。次の攻撃に備えるためだ。が、続きの銃声は聞こえてこなかった。
代わりに人間が呻く様な声が聞こえ、その後入り口に人影が映った。
「ジェイ!」
それまで、俺の身体の下で小さく震えていた少女は、その人影を見るなり小さく叫んで俺の下から這い出し人影に近寄っていった。
まだ、加速剤の影響で鋭敏になっている俺の視覚は、少し離れた場所に倒れているイスラン兵の動きを捉えた。その兵士は、やられたフリをして倒れていたのか、倒れたまま拳銃を持ち上げ、少女の方を狙っている。
俺は、加速剤の副作用でどんどん鈍くなる感覚を奮い立たせ、もつれる足に活を入れ少女に飛びついた。
同時に、銃声が響いた。
俺は、少女を廃墟の入り口から部屋の奥へタックルで避難させることに成功したが、左足に焼けるような痛みを感じた。
部屋の中の砂の上に二人で転がり、そのまま少女の身体を守りつつ伏せの姿勢をとった。次の攻撃に備えるためだ。が、続きの銃声は聞こえてこなかった。
代わりに人間が呻く様な声が聞こえ、その後入り口に人影が映った。
「ジェイ!」
それまで、俺の身体の下で小さく震えていた少女は、その人影を見るなり小さく叫んで俺の下から這い出し人影に近寄っていった。