★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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裏葬儀屋(34)

2009年11月05日 | 短編小説「裏葬儀屋」
「えっ、ここの先生に頼んだら、計画がばれてしまうじゃないですか」
 浦河は、にやりと笑って
「この計画、お医者さんの協力がなくてもできると思いますか」
「・・じゃあ、あのお医者様もグルなんですか」と娘が言った。
 浦河は、カクンと気の抜けたような目つきをして
「グルとはちょっとひどい言い方ですねぇ、理穂さん」
 理穂はごめんなさいと小声で言って、ペロリと舌を出した。
「では、整形のほうも申し込まれるということでよろしいですね」
「はい、よろしくお願いします」
「じゃあ、山田さんはこれから私と一緒に先生のところへ行って、今後の日程について相談します。もう今日から山田さんは人前には出れませんので、この診療所の3階の部屋に寝泊りすることになります」
 山田は大きくうなずき、頬のあたりを撫で回した。この顔ともお別れかというような名残惜しげな所作だった。


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