★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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裏葬儀屋(33)

2009年11月03日 | 短編小説「裏葬儀屋」
「打ち合わせでもお話しましたが、この村は自殺の名所でして、年間何十人もの遺体が出てきます。老若男女さまざまな人がいます。もちろん身元不明の方も多いですが、身元が判明してご家族に迎えに来ていただく場合もあります。そして中には、身元が判ったものの、天涯孤独で身寄りが全くいない方がいらっしゃいます。そのような場合、その方の身元を徹底的に再調査し、その方に身代わりになっていただくと幸せになれるような人、つまりあなたのような方を探し出して提案するのが私の仕事なんです」
 山田社長一家は、これから山田の代わりに亡くなってくれる人の顔をじっくり見つめ、心に焼き付けているようだった。どことなく山田に似ているような気もした。


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