図体のでかいアルミバンとは思えないような機敏な動きで大通りを駆け抜けていく。荷台にかなりの機材を積んで結構な重量になっているはずだが、その重さを微塵も感じさせない走りだ。エンジンもかなりパワーアップされているのだろう。
おかげで1.2Km先の交差点にはすぐに到着したが、赤いコンテナを載せたトレーラーは見あたらない。
「東に移動している。距離約300m」
Mr.Bに指摘されたように、交差点から東方向を見ると、確かに赤いコンテナが見える。真っ赤ではなく、砂埃で塗装が削られたようなうす汚い赤だ。
コンテナは、そのままウルトラトレインに載せることができるサイズで、俺が乗ってきたものと同じタイプだ。
Mr.Jもその姿を確認しハンドルを大きく切って、タイヤを鳴らしながら追跡を続けた。追いかけられるトレーラーの方でも、俺たちに追跡されていることに気付いたのか少々スピードを上げたようだが、所詮こちらのスーパーチューントラックにはかなわない。見る見るうちに差が縮まっていく。
だが、突然、
「まずいぞJ!、こいつ・・飛ぶぞ!」
荷台の機材に取り付いて何かを調べていたMr.Bが叫んだ。
「あのコンテナ型トレーラー・・この前うちのエージェントが仕入れたザビ共和国の最新開発情報に載ってたヤツだ。コンテナ部分だけが分離して飛行するタイプだ・・あっ見ろ!」
Mr.Bに言われるままにトレーラーに注目すると、荷台のコンテナの四隅にある燃料タンクと思しき銀メッキの長丸い物体が突然横に張り出した。と、その先端が青白く輝き始めた。
「なんだ?あれは。ジェットエンジンなんかじゃないな」
俺が見たままの感想を言うと、Mr.Bは別の機器の操作を始めながら答えてくれた。
「ああ、どうも超磁気を使った次世代エンジンらしい、、が、このまま逃がすわけにはいかない。Jやるぞ」
「ああ、判った。どれでやる?RMか?」
「いやAMでいこう、向こうが最新型ならこっちも新手だ」
「よし」
どうやら何かを仕掛けるらしい。面白くなってきた。
「どうするんだ?」
こんどは運転席のMr.Jに聞いてみた。
「歯には歯を、最新兵器にはこちらも最新兵器だ。エアマスターという開発中の兵器を使う」
「エアマスター?なんかエアコンの名前みたいだな」
Mr.Jは俺の愚問に反応もせずに、無言で操作パネルをいじり出したが、幸い、俺たちの会話を聞いていたMr.Bが答えてくれた。
「ああ、ネーミングのセンスは最悪だが、性能は結構面白いぞ。Mr.K、君の出番もある。よろしく頼むぞ」
「俺の出番?」
さっき俺の質問を無視したMr.Jがチラッとこちらを見て口端にかすかな笑いを浮かべた。
「・・まあ見てな」
Mr.Jは小声で言うと、ハンドルの横にある小型キーボードを操作した。
すると今まで全て透明だったフロントガラスに薄い赤色の文字や矢印などの図形浮かび上がり、トレーラーの動きに反応し動いている。大型のターゲットスコープのようだ。
おかげで1.2Km先の交差点にはすぐに到着したが、赤いコンテナを載せたトレーラーは見あたらない。
「東に移動している。距離約300m」
Mr.Bに指摘されたように、交差点から東方向を見ると、確かに赤いコンテナが見える。真っ赤ではなく、砂埃で塗装が削られたようなうす汚い赤だ。
コンテナは、そのままウルトラトレインに載せることができるサイズで、俺が乗ってきたものと同じタイプだ。
Mr.Jもその姿を確認しハンドルを大きく切って、タイヤを鳴らしながら追跡を続けた。追いかけられるトレーラーの方でも、俺たちに追跡されていることに気付いたのか少々スピードを上げたようだが、所詮こちらのスーパーチューントラックにはかなわない。見る見るうちに差が縮まっていく。
だが、突然、
「まずいぞJ!、こいつ・・飛ぶぞ!」
荷台の機材に取り付いて何かを調べていたMr.Bが叫んだ。
「あのコンテナ型トレーラー・・この前うちのエージェントが仕入れたザビ共和国の最新開発情報に載ってたヤツだ。コンテナ部分だけが分離して飛行するタイプだ・・あっ見ろ!」
Mr.Bに言われるままにトレーラーに注目すると、荷台のコンテナの四隅にある燃料タンクと思しき銀メッキの長丸い物体が突然横に張り出した。と、その先端が青白く輝き始めた。
「なんだ?あれは。ジェットエンジンなんかじゃないな」
俺が見たままの感想を言うと、Mr.Bは別の機器の操作を始めながら答えてくれた。
「ああ、どうも超磁気を使った次世代エンジンらしい、、が、このまま逃がすわけにはいかない。Jやるぞ」
「ああ、判った。どれでやる?RMか?」
「いやAMでいこう、向こうが最新型ならこっちも新手だ」
「よし」
どうやら何かを仕掛けるらしい。面白くなってきた。
「どうするんだ?」
こんどは運転席のMr.Jに聞いてみた。
「歯には歯を、最新兵器にはこちらも最新兵器だ。エアマスターという開発中の兵器を使う」
「エアマスター?なんかエアコンの名前みたいだな」
Mr.Jは俺の愚問に反応もせずに、無言で操作パネルをいじり出したが、幸い、俺たちの会話を聞いていたMr.Bが答えてくれた。
「ああ、ネーミングのセンスは最悪だが、性能は結構面白いぞ。Mr.K、君の出番もある。よろしく頼むぞ」
「俺の出番?」
さっき俺の質問を無視したMr.Jがチラッとこちらを見て口端にかすかな笑いを浮かべた。
「・・まあ見てな」
Mr.Jは小声で言うと、ハンドルの横にある小型キーボードを操作した。
すると今まで全て透明だったフロントガラスに薄い赤色の文字や矢印などの図形浮かび上がり、トレーラーの動きに反応し動いている。大型のターゲットスコープのようだ。