航海も折り返し点が近づいてきた。「ブルードリーム」が肉眼でも見えてきたのである。はじめは小さな星々と同じような光点だったが、近づくにつれ長細い銀色のピンのような形になってきた。さらに近づいていくとピンどころか巨大な銀色の竜のように見えてくる。
5000人乗りの移民船「ブルードリーム」は全長2000メートルの大型船で、細長い形をしている。無重力の宇宙空間だからこそ維持できる船体の形なのだろう。
基本的な構造は、おおまかに分けると移民収容区と運行区に区分される。移民収容区は、50人が収容できるコールドスリープ装置ユニットがひとつの単位になっていて、5000人分、100ユニットがつながっている。これだけで、船体の80%を占めている。
残りの20%は運行区となっており、この移民船を「ガイア」まで到着させるための機関部や操縦室、クルーの居住区・コールドスリープ装置管理部などクルー約20人が交代で起きて仕事をしているところだ。
「まずは、船体の破損箇所の船外チェックね。計画通り飛んでちょうだい」
事故調査委員のマリーが「マゼラン」キャプテンのスミスに言った。
「OK」
スミスは「マゼラン」の操縦桿を握っている副キャプテンのケンジになにやら指示を出した。
ここは、「マゼラン」の操縦室。本来、パイロットと関係者以外は入れないことになっているが、僕は宇宙船操縦C級ライセンス取得のための勉強ということで許可をもらい特別に操縦室に入らせてもらっている。意外と広い室内には、キャプテン、副キャプテン、ナビゲータ、事故調査委員のマリー、それに宇宙船製造メーカーの2人が同席していた。
「マゼラン」は「ブルードリーム」の細長い船体の外周を螺旋を描くようにして飛行し始めた。「ブルードリーム」の外装全体を目視できる範囲で記録するためだ。
操縦室の上部と前部、それに左右の壁面は全面モニターになっており、僕たちはガラスのコクピットにいるような感じで「ブルードリーム」を見ることが出来る。
出航して約3年、「ガイア」を目指して飛行を続けてきた船体だが、目だった汚れも無くピカピカに輝いていた。
5000人乗りの移民船「ブルードリーム」は全長2000メートルの大型船で、細長い形をしている。無重力の宇宙空間だからこそ維持できる船体の形なのだろう。
基本的な構造は、おおまかに分けると移民収容区と運行区に区分される。移民収容区は、50人が収容できるコールドスリープ装置ユニットがひとつの単位になっていて、5000人分、100ユニットがつながっている。これだけで、船体の80%を占めている。
残りの20%は運行区となっており、この移民船を「ガイア」まで到着させるための機関部や操縦室、クルーの居住区・コールドスリープ装置管理部などクルー約20人が交代で起きて仕事をしているところだ。
「まずは、船体の破損箇所の船外チェックね。計画通り飛んでちょうだい」
事故調査委員のマリーが「マゼラン」キャプテンのスミスに言った。
「OK」
スミスは「マゼラン」の操縦桿を握っている副キャプテンのケンジになにやら指示を出した。
ここは、「マゼラン」の操縦室。本来、パイロットと関係者以外は入れないことになっているが、僕は宇宙船操縦C級ライセンス取得のための勉強ということで許可をもらい特別に操縦室に入らせてもらっている。意外と広い室内には、キャプテン、副キャプテン、ナビゲータ、事故調査委員のマリー、それに宇宙船製造メーカーの2人が同席していた。
「マゼラン」は「ブルードリーム」の細長い船体の外周を螺旋を描くようにして飛行し始めた。「ブルードリーム」の外装全体を目視できる範囲で記録するためだ。
操縦室の上部と前部、それに左右の壁面は全面モニターになっており、僕たちはガラスのコクピットにいるような感じで「ブルードリーム」を見ることが出来る。
出航して約3年、「ガイア」を目指して飛行を続けてきた船体だが、目だった汚れも無くピカピカに輝いていた。