★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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義腕の男2(5)

2013年07月02日 | 短編小説「義腕の男2」
 今回の予告は、俺のミッションの基本に関わる重大な内容だ。それでマリーはその攻撃予告の状況について教えてくれたのだ。
「判った。ということは、俺のミッションも予定通りということかな」
「はい、、えーっと、ちょっと待ってください。たった今一部変更連絡が入り・・・」
 小さな無線機のモニターのマリーは、手元のコンソールを見ているらしい。視線が下向きのまま、首をちょっとかしげ、にこっと微笑んでこちらを向いた。
「ミッションに一部変更が入りました。目的地までの移動手段の変更です。現在ご利用されている列車は約3分後に使用不能になります。その後のN市までの経路は、・・中尉のセルフリソリューションとなります」
「?せるふりそりゅーしょん?」
マリーは微笑をさらに強くして言った。若干口角が引きつっているように見える。
「はい、自己解決ということです。その列車は、3分後にミサイルによる攻撃を受け、走行不能となります。その先、N市までの異動手段は中尉にお任せする、ということです」
「へっ?」
「では、連絡事項は以上です。作戦の成功をお祈りいたします」
 マリーはいつもの決まり文句を言うとそそくさと勝手に通信を切断した。