俺たちは、アイコンタクトで進む方向を確認し、下りの階段に向かった。ターゲットは地下5階に軟禁され、強制的に研究をさせられていることになっている。
普段なら人っ子一人いない非常階段だが、まさに非常事態なのか、様々な人が大きな物を抱えて右往左往している中を通り抜け、地下5階まで辿り着いた。
このフロアも他の階と同じだ。普通ならば締め切って特殊なIDカードが無ければ入れない扉がすっかり開放され、沢山の人間が荷物や書類を持って走り回っている。
博士のラボは、情報によればこの廊下の一番奥の部屋のはずだ。
俺たちは、博士を探して廊下を進み始めたが、一番奥まで着く途中で思いがけなく目標を発見した。
いた!クリス博士だ。
廊下で研究所の所員と思われる人たちに、物品の搬出を指示している。赤毛の熟女、間違いなくクリス博士だ。
Mr.Jも博士を認識したらしく、イヤホンからMr.Jの声が聞こえてきた。
「ターゲットのクリス博士を発見、これよりコンタクトを開始する」
「了解」
Mr.Bの声も聞こえてきた。我々のやり取りは、全て三者同時通信になっていて情報の共有を図っている。手っ取り早くお互いの状況が確認できるのは確かに有効だが、仲間の悪口が言えないのが難点だ。
Mr.Jは人ごみを縫って博士に近づいていき、博士の前に立つと敬礼をしながら言った。
「博士、お迎えに上がりました」
そう、俺たちは、イスラン軍の兵士として接触し、博士を別の場所へ護送する役目を担って来たという設定で博士を連れ出す作戦だ。
普段なら人っ子一人いない非常階段だが、まさに非常事態なのか、様々な人が大きな物を抱えて右往左往している中を通り抜け、地下5階まで辿り着いた。
このフロアも他の階と同じだ。普通ならば締め切って特殊なIDカードが無ければ入れない扉がすっかり開放され、沢山の人間が荷物や書類を持って走り回っている。
博士のラボは、情報によればこの廊下の一番奥の部屋のはずだ。
俺たちは、博士を探して廊下を進み始めたが、一番奥まで着く途中で思いがけなく目標を発見した。
いた!クリス博士だ。
廊下で研究所の所員と思われる人たちに、物品の搬出を指示している。赤毛の熟女、間違いなくクリス博士だ。
Mr.Jも博士を認識したらしく、イヤホンからMr.Jの声が聞こえてきた。
「ターゲットのクリス博士を発見、これよりコンタクトを開始する」
「了解」
Mr.Bの声も聞こえてきた。我々のやり取りは、全て三者同時通信になっていて情報の共有を図っている。手っ取り早くお互いの状況が確認できるのは確かに有効だが、仲間の悪口が言えないのが難点だ。
Mr.Jは人ごみを縫って博士に近づいていき、博士の前に立つと敬礼をしながら言った。
「博士、お迎えに上がりました」
そう、俺たちは、イスラン軍の兵士として接触し、博士を別の場所へ護送する役目を担って来たという設定で博士を連れ出す作戦だ。