鴨着く島

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大荒れの大阪場所

2024-03-24 16:51:02 | 日本の時事風景

大阪場所は荒れる――とよく言われるが、まさにその通りの結果となった。

何と入幕1場所目の東の17枚目「尊(たける)富士」(青森県出身。伊勢ケ浜部屋)が13勝2敗で優勝してしまったのだ。

大正3年(1914)に優勝力士制度が始まり、当時、両国という力士が新入幕で優勝したのだが、それ以来110年ぶりの快挙だそうだ。

昨日14日目は、勝てば優勝というところで対戦相手の朝乃山に敗れ、運悪く土俵から落ちる際に右の足首を痛め、一時は重篤説も流れたのだが、足首の捻挫程度ですんだらしい。

千秋楽の相手は一つ年上という大阪府寝屋川市出身の豪ノ山だ。豪ノ山は尊富士とは学生時代に対戦したことがあったという。

右足首の状態が気になったが、尊富士は果敢に立ち合い、一時巻き返しにあったが休まずに攻めて豪ノ山を土俵下に突き落とした。完勝である。

館内が湧いたこと言うまでもない。

優勝と殊勲・敢闘・技能の三賞を独占したのも新入幕ではもちろん初めてである。何とも素晴らしい力士が現れたものだ。

来場所の番付が気になるが、どこまで上がっていることだろう。

今場所の幕の内はモンゴル勢が後退したことで、日本人若手力士の奮闘が目立った。

入幕2場所目でまだ大銀杏が結えない若い力士で、あの能登地震のあった石川県出身の「大の里」も期待できる。楽しみだ。(※千秋楽は大関豊昇竜に敗れ11勝4敗だった。)

モンゴル勢は横綱と大関で三人がおり、あとは平幕の玉鷲だけで、かつての勢力は影を潜めた感があるが、それでも十両の西方に5名の若手がいて、その中で水戸龍が十両優勝を果たした。

水戸龍がインタビューを受けていたが、いつもながらモンゴル出身力士の流暢な日本語には舌を巻く。韓国もだが、半島から満州以北、モンゴルくらいまでは2000年前から倭人との交流があったと考えるにやぶさかではない。

ところで面白いのは、ロシア出身の力士「狼雅」が幕の内におり、十両にはウクライナ出身の力士「獅司」がいることだ。

戦争当事国の対戦相手ともにが大相撲にいる、というのも大相撲ならではと言うべきか。狼よりも獅子(ライオン)の方が強いだろう、とはウクライナサイドの見方だが、やはり人情的にはそっちを応援したくなる。

考えてみれば、モンゴルにせよウクライナにせよ、またもう一人カザフスタンの金峰山がいるが、これらの国々はロシアの周辺国で、かつてはソ連邦の一員だったのだ。

(※大分前に引退したが元大関「把瑠都(バルト)」はバルト三国の内のエストニアの出身で、この国もロシアの隣国である。)

 

 


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