鴨着く島

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アメリカの対中国戦略と日本

2024-07-10 21:33:41 | 専守防衛力を有する永世中立国
アメリカ大統領選挙は政党がまず各州の選挙人(代議員)を選出することから始まるのだが、民主党では今のところ現職のバイデン氏が獲得選挙人で圧倒している。だが、高齢を理由に他の候補者を立てた方が良いとの声が大きくなっている。

これに対して共和党はほぼトランプ氏で決まりである。

先月の19日だったか、バイデン=トランプの討論会が行われた。この討論会でバイデン氏はたびたび声を詰まらせたり、論点が定まらなかったりしたため、マスコミはトランプ氏を勝利者とみた。

このあと民主党では再びバイデン氏の出馬取りやめの意見が強くなった。

これに対してバイデン氏は「わたしに対抗する候補者は名乗り出るがよい」と強気である。

つい最近、ウクライナ支援をめぐってNATO (北大西洋条約)の会合がニューヨークで始まったが、バイデン氏は開会の挨拶で何と13分もの演説をぶちかましたという。

おそらくプロンプターの支援はあっただろうが、演説好きの大統領にしても13分とはずいぶん長い。「まだまだやれる」とアピールしたに違いない。

ところでこのバイデン大統領は「日本に5年間で43兆円の防衛予算を立てさせた」と自分の手柄のように言っているという。

眉唾に思う人がいるかもしれないが、岸田首相は一昨年の暮れの頃にそのように「閣議決定した」と述べているから間違いはあるまい。通常の防衛費予算は年間6兆円程度、5年間で30兆円ほどだから40パーセントの増額である。

その後すぐに安全保障三原則文書も同様に閣議決定している。5年間で43兆円の防衛費の使い道はそのことに関連したもので、要求はバイデン大統領自身からではなく、アメリカの国防省か国務省(外務省)の差し金だろう。

増額した分は何に使うのか明らかではないが、主としてアメリカからの兵器・武器の調達に使われるはずだ。

2018年に導入されかかったイージス・アショア(対ミサイル迎撃システム)は河野防衛大臣が購入するのを断念したが、これに変わる弾道ミサイル迎撃システムと「敵基地攻撃システム」は買わされるだろう。

どちらも対中国を念頭に置いた武器調達である。

いやはやアメリカの仮想敵国中国による攻撃の矢面に立たされる日本の進路はこれでいいのか。この代理戦争を請け負うその根拠が二国間軍事条約である安保なら、安保の是非を問うてみなければならない。

その上で「永世中立日本」の未来をも深く考えてみたい。