鴨着く島

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もたつく廃炉(福島第1原発)

2024-08-26 20:09:39 | 災害
2011年3月11日の東日本大震災の津波によって「全電源喪失」となり、核燃料を冷却する術を失った福島原発の原子炉で、核燃料が溶け落ちて冷え固まったままの「デブリ」とよばれる高放射能の物体を取り除く作業が始まった。

デブリの総量は800トンとか言われており、少しずつ取り出すだけで何年もかかり、取り出したデブリをどこへどう処理するのか今のところ決まっていない。

福島第一原発は稼働してちょうど40年目の2011年にストップしたのだが、その間定期検査などで発電しなかった年月を仮に10年とすると、実質的に発電したのは30年。

後、廃炉が完了するまで何年かかるのか。
これまでの原子炉建屋内に多量の水を送って冷やすやり方はいうなら応急措置であり、最終的にはこのデブリを除去することにある。

ところが8月22日の朝から開始されたデブリの試験的な採取(わずか3グラムという)のために外からデブリをつかみ取るためのケーブルを通す5本の「伸縮性パイプ」をつなぎ合わせてやろうとしたところ、何とつなぐべき5本のパイプのつなぐ順番を間違えたことが分かり、作業は中断したという。

考えられないほどの単純ミスで、一体全体作業者はなぜこんなミスを犯したのか首を傾げる他ない。

放射能が無ければこれら5本のパイプを抜き取り、正しい順番につなぎかえればいい話なのだが、何せ原子炉内のデブリに近い所に入ったパイプはすでに放射能で汚染されており、これを除去するのにまた何か月もかかるのだろう。


事故が起きてからもうすでに13年経過しており、今着手したデブリの取り出しに5年、建屋の解体に着手するまでに5年、その他放射性物質の処理に5年という風に長期にわたる廃炉工事期間を考えると、果たして原発はペイするのか、必要なのか、疑問が涌きっぱなしだ。

デブリの処理が最大の難関だが、それ以外にも通常の発電後の放射性廃棄物の問題があり、それの埋蔵仮処分地さえ決まっていないではないか。

火山噴火・地震・風水害と三拍子そろった天災大国である日本では、やはり第2、第3の原発事故の起きる可能性は高い。

今すぐにとは言わないが、少なくとも稼働40年を超えた原発からどんどん廃炉にして行くべきだ。