こんにちは  お元気ですか(上郡町 そとかわピアノ教室)

上郡町の、小さなピアノ教室です。
ピアノを通して元気になれる教室を目指しています!

「幸福論」

2009年04月18日 | その他
車を運転していると、ときどきずいぶんゆっくり走る車の後についてしまうときがありますね。

急いでいるときなんか、どうしても腹立たしい思いで走ってしまいます。

今日もそんな車の後についてしまいました。

信号で止まり、比較的長い信号だったので、ふと助手席に置いていた本に目がとまり、手持ち無沙汰なのと、イライラを紛らわそうと手に取り、開いてみると、

「人に満足することはなんとむずかしいことだろうか」

と言う一文が目に飛び込んできました。

まさに今の心境にぴったりで、思わず声を出して笑っちゃいました。
(これを、シンクロニシティって言うんですよね・・・3月10日参照)

その本の言葉を、少し続けますね・・・。

「社会生活のもたらす現実の状況には順応すべきであるし、普通の人間を非難するのは正しくない。」

「ぼくは、本当の原因もたずねないで、入場料を払ったのだから楽しませてもらおうという見物人のような気持ちで人を見てはならないと考えている」

「それどころか、反対に、気難しいこの存在のありようを自分自身のうちに顧みて、あらかじめすべてのことを最悪に考えておく。話している相手は胃が悪いかもしれない、頭痛がするのかもしれない、お金のことや家庭の不和で悩んでいるのかもしれないと想像する」

・・・・・・・・・・・・・・・・・
岩波文庫の「幸福論」(アラン著、神谷幹夫訳)という本です。

人が苦しんでいるときの心のありかたを文章だけで解きほぐす、すごい本だな、と思っています。

でもたぶん何年か前の私にはこの本には興味が向かなかっただろうし、読んでも今みたいな共感と驚きを持って読めたかどうか分かりません。

このような本に出会うために私は色んな経験をしたのだろうかと思うくらい、
書かれていることがいちいちもっともで、
よくわかって、
味わい深くて、

忘れたい、忌々しいと思っていた出来事も実は出会うべくして出会うものだったのかもしれないと思えるのです。

1900年代に書かれた、やや古めかしい表現の文章ですが、現代に生きる私にとっても十分に理解でき、心静かに自分を保つとはどういうことかを教えてくれます。