俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

3月15日(火)

2016-03-15 15:07:09 | 日記
★花丈の揃い真白なシクラメン   正子
シクラメンと言えば紅やピンクと思っていましたが白はたいへん珍しく思います。その白いシクラメンがプランターにでも植えられているのでしょう。思い浮かべて清らかな気持ちになりました。(黒谷光子)

○今日の俳句
下萌えの足裏にやさし池巡る/黒谷光子
池の土手を巡りながら、足裏に柔らかさを感じる。土手はもう下萌えている。足裏より全身に伝わる柔らかさが春の訪れを実感させている。
(高橋 正子)

○山茱萸(さんしゅゆ)

[山茱萸/横浜・四季の森公園]

★山茱萸の黄や街古く人親し/大野林火
★さんしゅゆの花のこまかさ相ふれず/長谷川素逝
★山茱萸にけぶるや雨も黄となんぬ/水原秋桜子
★山茱萸やまばたくたびに花ふえて/森澄雄
★池の辺に山茱萸の色きらめけり/信幸
★ねんねこの児にさんしゅゆの花を見す/高橋正子

「庭のさんしゅゆの木に・・」という民謡があるが、山茱萸という言葉を知ったのは、この歌詞によってである。一体どんな木なのか、それに花がつくのか、皆目知らないままでいた。それが、早春肌寒い風のなかに、鮮烈な黄色い花を咲かせるのを知ったのは、庭師さんが我が家の庭隅に山茱萸を植えてくれてから。花展では、大きな枝を惜しげなく切った大作の花を見ることがある。やはり、外の肌寒い空気に置いてみるのが一番いい。子どもが小さいときには、ねんねこでおんぶしていた。早春は、光があふれてはいるが、風が寒い。ねんねこの子は、いろんなものを見たがって、あちこちおんぶして歩いた。さんしゅゆの花の黄色は子どもの目にも、鮮烈だったようだ。ねんねこでおんぶして歩いたのは、造成中の団地とそのあたり。一山を削り、雛段状の造成地を造る。毎日、図鑑に載っているような珍しい車が作業した。鶯が鳴くのを聞きながら、ねんねこの子は、それを飽きることなく、2時間はゆうに見ていた。私は子をおんぶして、2時間突っ立っていたわけなのだが。山茱萸の花が咲く季節になると、そのことを思い出す。

山茱萸(サンシュユ、学名:Cornus officinalis Sieb. et Zucc.)は、ミズキ目ミズキ科の落葉小高木。ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミとも呼ばれる。季語は春。中国及び朝鮮半島の原産地に分布する。江戸時代享保年間に朝鮮経由で漢種の種子が日本に持ち込まれ、薬用植物として栽培されるようになった。日本では観賞用として庭木などにも利用されている。日当たりの良い肥沃地などに生育する。高さ3-15 mになる落葉小高木。樹皮は薄茶色で、葉は互生し長さ4-10 cmほどの楕円形で両面に毛がある。3月から5月にかけ、若葉に先立って花弁が4枚ある鮮黄色の小花を木一面に集めてつける。花弁は4個で反り返り、雄しべは4個。夏には葉がイラガやカナブンの食害を受ける。晩秋に付ける紅色楕円形の実は渋くて生食には向かない。内部にある種子を取り除き乾燥させた果肉(正確には偽果)は生薬に利用され、山茱萸(やまぐみ)という生薬として日本薬局方に収録されており、強精薬、止血、解熱作用がある。果肉は長さ1.4 cm程の楕円形。牛車腎気丸、八味地黄丸等の漢方方剤にも使われる。山茱萸の音読みが、和名の由来である。早春、葉がつく前に木一面に黄色の花をつけることから、「ハルコガネバナ」とも呼ばれる。秋のグミのような赤い実を珊瑚に例えて、「アキサンゴ」とも呼ばれる。


◇生活する花たち「福寿草・節分草・榛の花」(東京白金台・自然教育園)
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