珈琲一杯分の話

2018年2月26日スタートのただのボヤキカフェです。
毒とユーモアを楽しんで頂ければ幸いでございます。

気の強い女2

2018-04-11 | 仕事の話
職場のストレスというと、周りが圧倒的に自分より仕事ができて、緊張と劣等感にさいなまれることだった私も、何年かしたら仕事ができない人に振りまわされて、悩まされるパターンもあることがわかり始めた。

そんなに大きい会社じゃないところにいた時、そこは清掃業者など頼んでいなかったから、掃除は自分たちでやらねばならなかった。
でも「汚れているなと気づいた人がやる」というという常識に任せていると、絶対やらない人がいる。
というか圧倒的多数がそういう人だった。
私はそこに入って誰に言われたわけじゃないけど、朝は早めにきて床の掃除と雑巾がけをした。
新入りだから仕事を知らないし、せめてそのくらいはと思ったからだけど、それ以上に、四隅に埃が舞っているようなところで食事をして、分別もせず、何でも一緒くたにゴミ箱に入れる神経が嫌だったからである。
帰りには全員のゴミ箱を空にして帰った。
洗面台とトイレもピカピカにした。
好きでも得意だったわけでもない。仕方なくやった。(好きでやる人なんかいるだろうか)
業者に頼んだらそうなって当たり前だし、頼んでない以上、誰かがこうするしかないと思う。

だいたいが掃除や生理整頓にだらしない会社で、コピー機のまわりも雑然としていたので、サイズごとの裏紙ボックスを作って、裏紙はここ、新しい紙はここと取り出しやすくした。
予備の文具品も整理して無駄な発注をしなくて済むようにしたり、倉庫の整理をして古い書類の調べものもわかりやすくした。
OA機器の故障の連絡は短縮登録して、ついでに短縮登録一覧も見直して使えるように作り直した。
電話連絡のメモは、書き込みがラクなフォーマットを作った。
何かやろうとする時、余計なことに時間や手間をとられるのが無駄と思ったからである。
こういうことは、それまでいた会社では当たり前すぎて意識もしなかったことだけど、できない会社というのはできないんだなあと思った。

そこまでやっても、
「あれコピーが詰まっちゃって。海さん、業者連絡って表示が出ちゃったんだけど」
と平気でいう年配者がいた。
「そういう時はここに連絡してくだいという、短縮登録してありますし一覧表も渡してあります」
(だから、そういう面倒なことは言いたくないのよ~o(T◇T)o

後に新しく入ってきた男の子は、初日にびっくりするほど朝早くきて「今日からなんでよろしくお願いします」と深々と頭を下げたので恐縮したら、それだけだった。
私が掃除をしているのを見ても知らん顔して、それきりボーッと座っていた。
早く来たのはその日だけで、翌日からは当然のようにギリギリで出社すると、自分のゴミ箱のゴミも捨てずに定時で帰っていった。
「そんなもの女がやれよ」とでも思っているんだろうか。

ある時、これみよがしに大量のダンボールを畳みながら重そうに運んで(そうでもなかったけど)
「手伝ってくれる?今日、月一のダンボール回収の日なの」
と頼んだら、
いきなり私を指差しして「よく知ってんね!」と叫んだ。

そいつは入って一月も立ってない上、まだ一件の売り上げも上げていない中、
「今週の土曜休ませてください。子どもの運動会なんです」
と社長に談判した。
30そこそこで子どもが3人もいるらしいので、行かないと奥さんが大変なんだろうなあと思ったけど、それを今の自分の立場でよく言えるなと私はニヤニヤしながら聞いていた。
「運動会?」
社長がロコツに怪訝な顔をした。
相当なイヤミを言われながらも、見事に厚顔を貫いて土曜は休んだ。
すばらしき家族愛である。

結局その方は、何の売り上げも上げないまま数カ月後に「辞めます」と言って退職していった。
いろいろ見てきたけど、彼が殿堂入り「仕事できない人ベスト1」だったかな。
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