久しぶりに『下流社会』を調べてみたくなり、書棚からひっぱりだしました。
2005年、ベストセラーになったこの本を、なぜ今めくってみたくなったのか・・・。
実はしばらく前、朝日新聞「be」で特集していた「FUNKY MONKEY BABYS」の記事を読んで、ずっと気になっていたのです。
私は、「FUNKY MONKEY BABYS」というグループも知らなかったし、彼らが作って歌っている『明日へ』という歌も聴いたことがありませんでした。
その記事を読んだ日。私はすぐに、ユーチューブで聴いてみました。
そんな行動に駆り立てられるくらい、あの記事にはインパクトがありました。
「FUNKY MONKEY BABYS」の出身である、八王子という街。
大都市で暮らすことより、郊外の地元で友人たちとツルむ若者がジモティと呼ばれ、新しい消費行動として注目された、あの『下流社会』は確かに衝撃的な本でした。
若者を知る手がかりを、あの本は私たちに提示してくれていました。
あれから5年。
若者像。いえ、若者たちの生きる姿勢も多分に変容を遂げているようです。
バーチャルな世界を当たり前のようにして生まれてきた彼らは、いま、現実と直面し、『下流社会』の若者のように、「いまの自分はまだほんとうの自分じゃない。その気になったらオレだって一発かましてやる」という、上から目線の自画像を描いていません。
貧困もなにもかもをバーチャルのなかに閉じ込めておくわけに行かなくなった若者たちは、「新しい農業をやろう」「キャバクラ嬢から農業へ」と、より現実的に自分の足もとを見つめだしています。
そのあたりは、『下流社会』から『ニッポン若者論』へと変化を遂げた、三浦展さんの分析からも感じ取ることができます。
また「FUNKY MONKEY BABYS」の歌からも感じ取れます。
ご興味のある方は、ぜひ検索してみて下さい。