20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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図書館

2013年10月14日 | Weblog

          

 家のすぐ近くにある図書館が、全面改修工事で来年までクローズになってしまいました。

 書評を書くためや、資料集めなどに図書館は大切な場所ですが、不便で仕方ありません。

 仕方なく、徒歩10分ほどのところにある、別の図書館に通っています。

 ここは古くからある図書館なので、資料などは揃っていますが、児童書などがいくぶん古いです。

 新しいものはあまり入っていません。

 おまけに、車がびゅんびゅん走る広い道路を越えていかなくてはなりません。

 

 背に腹は替えられぬで、近頃はその図書館にちょくちょく足を運んでいます。

 ところがすべてIT化されていて、本を借りたり、リクエストした本を引き取りにいくのも、人の手はまったく通しません。

 カードを機械にあて、「ぴっ」と感知してもらうと、機械が台にのった本を勝手に読み取ります。

 またリクエストした本に至るや、まずは機械で予約案内表なるものを出して、そこに記してある「設置棚番号」から、自ら本を見つけ出さなくてはなりません。

 やっと見つけ出した本を、今度は貸出票をだすために、また機械で「ぴっ」と。

 その間、人間の手は、本人のものだけです。

 いまや、国会図書館の資料も、これまで念願だった「図書館間貸出サービス」という制度ができ、遠方に住んでいてわざわざ足を運ばなくても「図書館間貸出」制度に加入申請し、承認を受けた地域の図書館であれば資料が借りられます。

 そういった図書館の全国的なオンライン化が、このような状況に連動しているのだと思います。

 けれど人の手を交し、これまで本を借りていたお年寄りの人たちはどうしているのでしょうか。

 一応機械のそばには案内の方はいらっしゃいます。けれど、毎回毎回、その人の手を煩わせるのを、お年寄りのかたは「申し訳ない」という気持ちになってしまうのではないでしょうか。

  唯一の楽しみだった読書まで、そうした機械化で奪われていくのだとしたら、ほんとうにお気の毒です。

 また、図書館の司書の方たちは、どこへいってしまったのでしょう。

 改装工事をしているすぐ近くの図書館も、リニューアル後はそうした機械化が導入されるのでしょう。

 地域の図書館として、本が大好きな子どもたちや、本を読むのだけが楽しみなお年寄り。

 そういった人たちの、人と人とのつながりが生まれる豊かな空間であってほしいと願っているのですが・・・。

 そのための、もうひと工夫はできないものでしょうか?

コメント
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