
今日は節分。
鬼遣い(おにやらい)の日です。
鬼遣いというのは、鬼を追い払う儀式のことを言うそうです。
平安から中世の説話に登場する多くの鬼は怨霊の化身、人を食べる恐ろしい鬼として描かれています。
鬼を払うことが、福につながると信じられてきました。
ところが、「鬼」の語源というのは「穏」だそうです。隠れていて見えないものを人間はおそれ、鬼という怪物に仕立てていったといわれています。
中世の説話などの概念から、いつのまにか「鬼」は人間のなかでは、「悪者」として育っています。
けれど、『泣いた赤鬼』(浜田広介・梶山俊夫・偕成社)などを読み返すと、「鬼」への既成概念が覆されるのがわかります。
そこには、鬼のさびしさ、ユーモア,ペーソスが描かれています。
極めて人間に近い「鬼」が描かれています。
豆まきの今夜は週末で帰宅する夫を待って、そんな鬼のことを考えながら「福は内・鬼は外」と、四方の部屋べや、東西南北の鬼に声をかけてみたいと思います。