20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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山笑う

2011年04月09日 | Weblog
            

 こんなにあたたかくなってくると、浮かぶのがこの季語。
「山笑う」

 山また山に囲まれた盆地である秩父生まれの私にとって、山は子どもの頃からの原風景です。
 いまは空気の澄んだ日に、高層階の我が家から、遙か遠く秩父連山の蒼い山並みが見えるだけですが。

 逆に体の縮こまってしまう、寒い冬の季語は「山眠る」
 眠っていた季節が目をさまし、笑う。それが春の季語「山笑う」です。
 山が眠ったり、笑ったり・・・。
 なんて日本語はユーモラスで、豊かなのでしょう。
 あたたくなり、木の芽も動物たちも人間も、みんなうれしくて、くすくすと笑ってしまいたくなるこの季節。

 でも、今年は被災地の皆さんの上におとずれている春を想います。
 避難所で、あるいは知らない土地で、笑えるような春をみんなが迎えられるようになるのは、いったいいつのことでしょう。
(写真は、山のサイトからお借りしました)
コメント (2)
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