太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

人生最後に何を守るか

2020-03-19 08:19:37 | 社会観察

安倍長期政権、拉致問題、北方領土は威勢の良い言葉が飛び交ったが残念ながら1ミリも動かず、アベノミクスは金融緩和による唯一の成果である株高もここにきてコロナショックで大暴落している。誠に儚いものである。追い打ちをかけるように森友国有地払い下げ問題で近畿財務局職員で文書改ざんに関与し自殺した職員に遺族が手記(遺書)を公表した。内容は大方予想通り当時の理財局長佐川氏の実名を挙げ改ざんを強制されたというものだ。

菅義偉官房長官は手記公表の同日午前の衆院内閣委員会で、「遺族のみなさんの気持ちを思うと言葉もなく、静かに謹んでお悔やみを申し上げたい」と述べた上で改ざんを主導したとされる当時の佐川宣寿・財務省理財局長を国税庁長官に据えるなどした人事については「関与した職員には厳正な処分が行われた。その後の人事は、任命権者である財務大臣において適材適所の人事が行われた」と強調した。多分佐川氏に直接具体的に改ざんを指示した人はいないのだろうが、佐川氏が改ざんという忖度をしたのは首相の国会答弁が原因というのは誰でも想像はつく。佐川氏が国会答弁の矢面に立っていた時、この人は出世するとブログに書いたがその後国税庁長官に栄転したので忖度効果は十分あったと言える。しかも麻生さんや安倍さんから適材適所であるというお言葉まで添えられたのだから言う事はあるまい。

その後国税庁長官は辞任せざるを得なくなったが、忘却されつつあったこの問題も遺族の方の損害賠償訴訟で再び火が付いた。もし江戸時代だったら私なら一生をかけた仇討の旅に出るだろう。今回遺書の中で名指しされた事実はもう覆らない。もし訴訟で法的責任を免れたとしても佐川氏は自分のせいで人一人死に追いやったという重荷を一生背負って生きるしかない。あの時国会対応で守ろうとしたものは一体何だったのだろう。自分自身を納得させるだけの理屈を持ち合わせているのだろうか。残りの人生全てが贖罪の日々であろう。忖度された側もその後の対応に当たった大臣も何も背負っては生きて行かない。

もし人間が持つ気質や能力で最も大事なことを一つ挙げよと言われたら迷わず正直であることと答える。自分自身あるいは世間に対して正直であることだ。正直とは正しくて、うそや偽りのないこと。また、そのさまであるが最後まで持ち続けるとしたらこれしかない。



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