太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

パンドラの箱

2020-12-28 09:19:08 | 社会観察
 昨日はまるで年納めのようなブログになったが今年はまだ終わってはいない。タイトルはゼウスがパンドラに持たせた災いが詰まった箱だが開けてはならぬと言われながらパンドラが開けてしまったあの箱である。桜を見る会問題では安倍さん自身が何故自らホテルに確認しなかったのかと野党に厳しく追及された。何となく心情が分かる。多分ある時点から秘書の説明はおかしいと思っただろう。しかし自ら積極的に真相を確かめることをしなかったのはそれがパンドラの箱だと分かったからだろう。躊躇なくという言葉が好きだった割には安倍さんの人間的弱さが垣間見える。政治の世界でそれが許されるかどうか分からないが世の中には見たくない、聞きたくないという事は山ほどある。凡その結果が想定できるからだ。村上春樹氏がインタビューの中で、・・・こんな混乱ですから、人が間違ってしまうのは当然のこと。ならば、「アベノマスクなんて配ったのはばかげたことでした」「Go Toを今やるのは間違っていました」ときちんと言葉で認めればよいのです。国民も「間違うことは仕方がないよ、これからちゃんとやってくれればいいよ」と思うはずです。ネット上ではこの村上氏の発言について某有名整形外科医が、「日本人が選んだ代表を最悪と言うのは日本人が最悪だと言っているのと同じだと思います。残念な発言です」あなたは日本人ですかと。炎上覚悟の発信だと思うが総理を批判するのは選んだからこそです。因みに個人的には村上氏の著作は殆ど読んだがカズオ・イシグロ氏の方が好きです。勿論私は日本人なのだが外人並みに彫の深い顔立ちに憧れた時期もあり金さえあれば先生のお世話になっていただろう。
 村上氏の発言は自身もブログに何度か書いたが日本の政治家や官僚は決して間違っていましたと言わない。国民は直ぐに税金泥棒と罵る。拙老のような少額納税者がブログでほざいても高が知れているが村上氏は高額納税者でありながら税金泥棒と呼ばないのはさすがである。間違いを糺せば国民も許してくれると言っている。実は役人からこっ酷く叱られたことがある。一つは当時通産省傘下、一つは外務省傘下の公的機関のプロジェクト受託での話だ。時期も異なり全く関連の無いプロジェクトだったが「マスコミに知れたらどうなる!」と同じ言葉で叱責された。どちらも理不尽な怒りで今でも非は向こうにあったと思っている。後に真実が明らかになり事なきを得たが勿論謝罪の言葉など無い。要は自分達の保身のためで兎に角どちらもマスコミを警戒していた。特に役人の場合はそれが先輩の責任であっても必ず庇う。当時はOBでも人事に影響を持っていたから(今でも?)間違いを認めることは先輩を非難することに等しくあらゆることで全てやったことは正しいという立場である。多分政治家より役人の方が弁明、謝罪をしない。 
 災いが出て行った後のパンドラの箱には「希望」だけが残っていたと言うが、それは希望は箱から出られなかったという説と災いの後には希望があるという説に分かれているそうだ。当然災いのあとには希望が残されていると思いたい。その為にはパンドラの箱を開ける勇気も必要だ。
昨日TVを見ていたら二階幹事長が討論番組に参加していた。コロナ対策について政府の対応は遅すぎるという批判もありますがという問いかけに、「今更遅いと言われても結果論だ。これからどうするかが問題である。」と言う主旨の発言をしていた。相手の質問もここで封じ込められた。今更遅いと言っても意味が無いとは思わない。コロナは終息した訳ではなく第4波は必ずやってくる。遅いと言う批判は次に生かすための早過ぎる批判とも言える。重鎮中の重鎮二階氏なら、「遅いと言う批判は聞こえている。それらの様々な意見を真摯に受け止めて来たるべき4波に備えるのも政治の役割だと思っている。」◎。政治家も役人もあまり変わらないか。