赤い竪琴
2014-12-24 | 読書
津原泰水氏著 一番好きな作家さん。
最初の予想を裏切り ファンタジーでもSFでもなく寧ろ文学と呼びたいシロモノでした。
フリーの本のレイアウターと古い楽器制作職人との恋。
話はゆっくり進みなかなか退屈で好きじゃないと読めません。
ただどこか危険の匂いがぷんぷんして何かを期待させます。
彼と彼女の運命の糸は、50年も前の過去に操られ 二人の男女の想いにぴったり重なります。
彼と彼女の台詞が洒落ています。
大阪人や地方人には絶対話せない 聞くべき会話。
先回り後追いしながら鯨が海をじゃれあうように戯れる。
かなわないなと思いました。羨ましいと思いました。
何で東京に産まれなかったのかと思いました。
………突然話は急転し深刻な話に変わりました。
最後の一ページで突然涙腺が緩みました。
やはりこの作家さん
とても好きです。お勧めはしませんが 私と思いを共有出来るなら幸いです。