ゆっくりかえろう

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紅しょうがのてんぷら

2011-08-09 | ランチ

 大阪には紅しょうがのてんぷらなるメニューがあります
 あのお好み焼きや焼きソバに使うやつを 千切りにする前の
 薄切りになったものを まるのままてんぷらに揚げてしまうのです
 居酒屋メニューだと 庶民的なお店にあるメニューですが
 てんつゆで食べるのがポピュラーかと

 しかしこのてんぷら スーパーの惣菜コーナーにも
 普通にあってこれだと てんつゆはあまり使わないようです
 私はピリッと辛いのが好きなので 何もつけずにいただきます

 紅しょうがのてんぷらは 関西以外の他地域ではあまり見られず
 珍しいものの部類ですが ビールやチューハイのお供に
 また冷たいうどんメニューの副食物によくあいます

 今 「天ぷらにソースをかけますか?」日本食文化の境界線 新潮社文庫刊
 という本を読んでおり ちょうど同じような話が出てきます
 九州人である著者と 関東人の奥さんとの会話が出てきて
 食文化のギャップが面白おかしく書かれています

 てんぷらを崇高なもの高級料理として捉える 東日本人と
 高級天ぷらと 惣菜天ぷらを使い分ける 西日本人

 高級天ぷらにはてんつゆか塩をつけて食べますが
 西日本じゃ市場やスーパーで買う 惣菜天ぷらのほうが
 食べなれているので(高級天ぷらがないわけじゃあありませんが)
 ウスターソースをかけて食べてしまうことが多いようです

 ソースはウスターソースであって べたべたと甘いとんかつソースや
 中濃ソースはあまり使いません(好き好きですが)
 ウスターソースは地ソースが地域ごとにたくさんあるように
 洋風しょうゆという捉え方があるのかも

 面白いのはその使う分布が ソースを使わない地帯は
 蕎麦をよく食べる地域(関東東北)で ソースをてんぷらにかける地域が 
 蕎麦をあまり食べない地域(西日本)に分かれていることです

 唯一西日本でソースを使わない例外は 四国の香川県ですが
 ここはうどん王国ですから うどんのトッピングとしての天ぷらが浮き彫りになってきます

 だいたい天ぷらといっても 思い浮かべるものは 東日本 西日本
 それぞれ違います
 東日本はお座敷てんぷらなんかのタネの えび こばしら きす あなごなど
 江戸前寿司と同じようなねたを思い浮かべると思いますが

 東日本だと惣菜系の 主婦が昼ごはん用に 市場で買ってきた
 サツマイモの天ぷら 野菜のかき揚げ かぼちゃ ちくわ はては
 子供の夕飯用の しゅーまいやウインナーの天ぷらですから
 ウスターソースのほうがふさわしいのです

 ただ食べ方や ねたが違うから 他地域を見下したり
 (その逆もありますね)気持ち悪がったりするのは
 あまりに視野が狭いと思うのですが こと食べ物に関しては
 郷土愛がゆきすぎて 排他的になることが多くあります
 
 人を認め尊重することは 自分を認めてもらうことになる
 一歩になるのではないかと これを読んでて思いました

 ということで 紅しょうがのてんぷら 食べてみませんか?
 東京でも刻んだ紅しょうがをかき揚げにして食べさせてくれる
 ところを見かけます
 JR御徒町ガードしたの えき蕎麦でいただいたことがあります
 まだメニューにあるかな?
 ここはハムかつもメニューにあったので ウスターソースも
 テーブルには置いてあります