ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

気になるウクライナ情勢

2015-02-14 23:26:38 | 日記
2月15日(2015年)でウクライナ東部での停戦が実現されるとの報道があります。ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領等の積極的な調整によってもたらされることになったと言えるのでしょう。

このブログの以前のコーナーでも記述しましたが、ウクライナで起きたクリミア半島の分離独立(?)は、ロシアのほぼ直接的な介入によるものでした。住民投票のような形式的なものもアリバイづくり的に行われたようですが、傍からすれば見え見えのことに思えます。(許されないこと)

そして、一般の旅客機が誤って撃墜されたことも、まだつい最近のことです。多くの犠牲者を出したオランダが原因究明にあたってきた筈ですが、現地ウクライナの混乱が続く中で解明できない状態が続いているのでしょう。

そんなこともあって、ポーランド(ウクライナに隣接)訪問を延期してベルギーを次のターゲットにしていたのですが、パリでのテロやベルギーの首都ブリュッセル近郊でのテロ関連事件等々。今や、ベルギーですら訪問を躊躇する状況だと感じているのです。もっともEUの本部はブリュッセルにありますので、中心都市とも言えるのです。

このような個人的な思惑もあって、ヨーロッパやウクライナ周辺事情はとても気にしていることなのです。もちろん、真の意味での平和や紛争解決を望むことは言うまでもありませんが・・・。

それにしても、メルケル首相の精力的・直接的なトップ外交は賞賛に値するのではないかと思っています(結果がどうであれ)。様々な思惑もあるかも知れませんが、EU全体の問題とするならば、「火中の栗を拾う」役を誰かがしなければならないと考えたのではないでしょうか。

信頼とは一朝一夕に得られるものでもありませんし、いくつかを積み重ねることによって築き上げるものでもあるのでしょう。敗戦国であり、また、ナチスの非行を反省しつつ、世界に貢献できる道を探っているかのようにも見えます。

EUと日本では状況が異なるので、日本の首相が動け・・・と言うつもりは毛頭ありません、今は。しかし、周辺諸国との真の外交(平和の)を築くための信頼たる・経済活動だけでない行動を日本の代表者に期待したいと思うのです。そしてそれは、常日頃からの言動にも裏づけされてなければならないものであり、世界を相手に公然とウソをついた人物では、いまさら何をどのように言っても難しいのです。

ところで、先ほど、ドイツの英文サイトのニュースを見ていました。ロシアの思惑は、既に強引に確保したクリミア半島に接続する「回廊」のようなルートをウクライナ東部に確保しようとしているのではないかと、ウクライナ自身が懸念を示しているそうです。

地図で確認してみますと、現在ドネツク周辺が紛争地域になっていますが、そこからさらに南西方向に勢力圏を確保すれば、その「回廊」はできあがるのです。ロシアと言う国なのか、プーチンと言う人物なのか、国民性なのか・・・、良くわかりませんが、何を考えているのでしょうか。ロシア国内で民主的な報道がなされているとは考えにくい・・・そう思えてしまいます。市民レベルでは、様々な文化の違い等があっても交流は可能だと実感しているのに・・・。

今回の停戦が、本来の主権を尊重することにつながり、力(武力)ではなく、平和裏に各地域の進むべき道を住民が中心になって決めて行く、その一歩になることを願っています。

(巻頭写真: ドイツ・ミュンスター、平和の間・・・・ヴェストファーレン条約を締結、1648年)