ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

電力自由化に関する報道

2016-01-04 18:14:23 | 日記
2016年1月4日(Mon.) 日本の話題です。間もなく国内での電力自由化が本格的になりますが、今朝のTV報道を見ていて感じたことがあります。

それは、電力販売に参入するいくつかの企業を紹介するものでしたが、販売価格に関する各社の考え方などを伝えるものでした。結局、現段階ではどこが最安値で提供できるかは不明の状態で、各社の意気込みのみを伝える内容だったと思います。

何れにしても、販売価格が最重要の要素であるかのような印象を、視聴者に植えつけるものではないかとも見えてしまいました。

一方、私が2013年に滞在したドイツでは、電力の自由化は既に進められていましたが、価格が選択する上での最重要課題ではなかったことを覚えています。クリーン・エネルギー(太陽光発電や風力)や再生可能エネルギーによる電力供給を行っているかどうかが最重要であって、価格は二の次なのです。これによって、原発に頼らない再生可能エネへのシフトを、国民全体で動かそうとしているのです。

もちろん、家計や企業にとっても電力費用が安いほうが有り難いことは言うまでもありませんが、それでも、最優先事項は「お金」ではないのです。少々(?)・ある程度高くても、本来のあるべき姿・社会・世界を構築・維持して行く為には、必要なコストは負担しようと言う考えです。

ドイツでは、送電網の整備が十分とは言えない現実もあり、北海等の沿岸部で発電する風力発電電力を国内の全域に届けようとすると、送電網のさらなる整備が必要であるとも教えられました。達成ののための課題や問題は残されてはいるものの、あるべき姿に向って、国全体が動く姿には見習う点があると今も思っています。

こうしたことを知っていると、今朝の一部の国内報道を見る限り、「価格だけじゃないよ!」と心の中で叫んでしまうし、こうしたマスメディアの報道は、まるでミス・リードをしているように感じてしまうのです。

さらには、報道各社の取り扱い方も大きく異なることもしばしばであり、意図的に「価格」のみが最優先事項であることを植えつけようとしているのではないかと、考えたくなってしまうのです。

「経済」(お金)が最優先と叫んでいる政権がありますが、本当に大切なのはこれでしょうか。子々孫々に残し・伝えて行くべき道とは少し異なると考えています。


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ケルト神話に関係する妖精(Fairy)などの写真を掲載します。 出典: 各ネット