世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

プラタナス

2018-01-21 04:17:17 | 月夜の考古学・第3館

昨日あなたは
ちょっとした間違いをしましたね
そう この木は言っています
本当は真っすぐいかなきゃ
いけなかったのに
間違えて道をそれてしまったと

木の声が聴こえるのかですって
そういうわけじゃあないのですけど
とにかくこれから
あなたは少しずつ魂が傾いてくる
そう木は言っています
だから注意するようにと

木が人間のように話す声が
聴こえるというわけではないんですよ
ただ
魂の奥の奥の広がりには
人間も木も動物も風も星も
全て同じになれる国があって
私たちはいっしょに
そこに入っていくのです
そしてそこから帰ってきた時には
木の言葉は私のものになっているし
私の言葉も木のものになっているのです

そこでは言葉は
目に見えぬ理屈やただの記号ではなくて
一枚の透明な布や
奇麗な光る色石だったりするのです

本当なのになあ



(2003年、花詩集6号より)






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妖怪

2018-01-20 04:17:37 | 黄昏美術館


グレイドン・パリッシュ


原題はわからないが、モデルはモデルらしい。要するに、若い頃は突出した美人だったのである。

これはそういう偽物の美人が年をとってきて、美人でいるためにあらゆるあがきをした一例である。

盗んだ顔が消えていき、本当の自分が染み出てきている。それをなんとか押しとどめるため、
表情を少なくする。髪を大きくし、貧相になってきたことをごまかす。化粧をきつめにして、老醜をごまかす。

そういうテクニックでもって、美人ではなくなった自分をごまかそうとすると、女はよくこういう感じになる。

誰も言わないが、はっきり言って気持ちが悪い。年をとってきてもまだ欲しいものがあるのかと、人々に冷たく見られているが、本人は気づいてはいない。

本当の美人は、こうはならない。美しい顔のとおりによく生きれば、年をとってくれば若さよりももっと豊かな美しさが備わってくるものだ。

だが、たいていの本物は、そういう豊かな老後の美しさを人に見せる前に、死んでしまうのである。






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風の声

2018-01-19 04:17:07 | 月夜の考古学・第3館


永遠の透明な氷壁に阻まれ
決して届かぬ 南風の声
はるかかなた 銀河のほとり
ちひさき村の いほりに住み
まぼろしのやうに 立つ君よ

君と 話がしたい
君ならば わかるだらうか
わたしの この胸の
冷たい ひびの音が
深海の珊瑚に泳ぐ
ちひさき青魚の声なき声のやうに
たれも聞かぬままに
くりかへし 歌ふ声の
そのまことのいたみが



(2012年、「菫青石」より)






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改造後

2018-01-18 04:18:22 | 黄昏美術館


フェルディナント・ホドラー


昨日の体を様々な霊的技術を弄して改造するとこうなる。

たくましいが、どこか嘘っぽい。顔から想像できる肉体と、実視で見ている肉体が違うからだ。

男は本当の姿があまりに貧相になってしまったので、筋肉や骨を霊的技術で増やして無理矢理自分の肉体を理想的な男の体に近づけるのだ。背を高くし、筋肉を増やして肩や胸の狭さをごまかす。

一見美しく見えるが、どこか胡散臭い、おかしい、と感じて、女性は用心するのである。顔と肉体が合っていないのを、微妙な違和感として感じているのだ。

そのカンは正しい。自分を改造して肉体をたくましく増強する男に、ろくなものはいない。

人類の男の肉体は、その罪業によって、だいぶ小さく細くなっている。例外はほとんどない。まれに大きな男がいても、どこかやさしげでなよなよとしている。ヘラクレスのような肉体の男がいれば、それは必ず偽物である。

人類の男には、小さくなることによって、下僕のようにみなのためにあらゆる仕事をせねばならないという、義務が生じているのである。






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人間の姿

2018-01-17 04:19:10 | 黄昏美術館


ウジェーヌ・ヤンソン


スウェーデンの画家らしい。

人間の男の肉体に、何の改造もしなかったらこうなるという絵である。

少年のように見えるが、大人だ。要するに小さい。筋肉もそれほどなく、腹筋も割れていない。なまっちろく、女っぽく、それほど男性的に発達しない。性器は色が黒く大きく発達する。

人類の男の業が、普通に現れると、こういう感じになるという肉体である。

女性に傲慢にふるまってきた男は、だいたいが女性より小さくなってしまうのだ。女性を見上げてしまうような小さい男になるのである。筋力もそれほど強くなく、暴力をふるうのに臆病になるほどである。全体的に弱弱しく、男性的意志を感じない。

これではとても女にもてないので、痛い男は肉体に改造を施し、足を伸ばしたり、盗んだ筋肉をつけて胸を厚くしたりするのだ。そして筋骨隆々の美しい男性的肉体を作ったりする。

ところがそういう勇ましい肉体をしていながら、やっていることは女の尻を追いかけることくらいなのである。男らしいことなどしない。ただ、群れて人間の悪口を言うことが関の山だ。

そういう男は実際はこういう小さい肉体をしているのである。弱気だからこうなるのだ。

性器ばかりが大きく、ひどい性欲に苦しんでいることを表している。

このように、人間の肉体は、人間の心そのものを表すものなのである。






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薔薇の木の下

2018-01-16 04:17:34 | 花と天使・第2巻


こんな大きな薔薇の木はありませんが。

後ろのふたりはサビクとスピカですが、似ていません。

なんだか天使を大勢描くのがたのしくなってきました。

ちょっとおもしろいことをしてみたいと思います。





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天使の行列

2018-01-15 04:17:20 | 花と天使・第2巻


ひさしぶりに天使をたくさん描いてみたくなりました。

A4サイズの紙では4人描くのが限界みたいですね。

ピンクの薔薇が降っています。

もっと描いてみたいので、次も何人か描いてみます。





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12月・さざんか

2018-01-14 04:17:18 | 花と天使・第2巻


薔薇にも見えるかもしれませんが、一応山茶花です。

かのじょのシリーズでは12月はしくらめんでしたけどね、

この絵柄では難しいと思い、さざんかにしました。

ユキツバキという品種のつもりです。







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憎悪の樽

2018-01-13 04:18:44 | 黄昏美術館


カルロス・シュワーベ


タイトルはフランス語を直訳したが、何らかの言い回しであるかもしれない。

メデューサのような蛇の髪をした老婆が刃物をとり、若い女たちを無残に殺している。

これは女性の馬鹿の心の風景であろう。実際、こういうことをしている女性は多いのである。

自分より若い、自分より美しい女を憎み、ありとあらゆる方法で滅ぼそうとするのだ。そして自分が誰よりも美しくあろうとする。

こういう女が、ほかの女から顔や姿を盗み、優れた美女に化けているという例は多いのである。

苦いなどというものではない。本来は優しくやわらかなはずの女性が、恐ろしい妖怪のようなものになっている。それが自分でも痛くてたまらないが、彼女らは本当の敵を見据えることができず、常に弱いものに攻撃の刃を向けるのである。

本当に滅ぼさねばならないのは自分の弱さであり過ちなのだ。だが男のように人間として立つことが弱い女性はそれに立ち向かわないのである。

それができる女性はいる。だがそういう女性たちは先に美しくなってしまうので、こういう弱い女性たちの憎悪の対象となり、たいていの場合は滅ぼされてしまうのである。






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11月・もみじ

2018-01-12 04:16:25 | 花と天使・第2巻


目も覚めるような紅葉というのは難しいですね。

星型の葉っぱをいっぱい描いて、二種類の赤で塗りました。

赤にも、茜色とか、朱色とか、紅色とかあって、微妙に違うのです。

秋も深まって来ると、紅葉の紅葉は鮮烈に赤くなってきます。






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