世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

馬鹿

2020-05-16 04:56:18 | 言霊ノート


馬鹿は常に「馬鹿だ」と言って、他者を貶めようとする。そして存在価値を否定した他者によって自分を生きさせようとする。要するに自分で自分を生きるのがあまりの重いので、他者の存在に自分をまるごと投影して、他者に自分を生きさせようと無意識のうちに企む者、それが馬鹿である。その裏には、自己存在の若さゆえの脆弱性がある。馬鹿は自分の弱さゆえに常に自分に自信がなく、それゆえに自分ではない他者を馬鹿にしてその存在に吸い付いて永遠に生きようとするのである。

アンタレス





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ばら

2020-05-01 05:00:54 | 月夜の考古学・第3館

楼閣のように
巨大な ばらが
大空に 描かれるように
それは
何度消しても 消しても
くりかえし
描かれるように
わたしの中で
それは
叫ぶのです

 ちきゅうが
 かわいらしくて ならない
 ひとびとが
 いとおしくて ならない
 ああ
 どうすれば いいのか

わたしの 奥の 奥深く
光る きわみから
つるされる 無数の
存在の
すべてをかけて
それは 叫ぶのです

のうみつな 光の汁を
まるめて つくった
山ほども 大きな
赤ん坊が
わたしの中に
打ち捨てられて いるように
それは いつまでも
叫びつづけるのです



(2002年、詩集「種まく人」より)






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