フェルディナント・ホドラー
昨日の体を様々な霊的技術を弄して改造するとこうなる。
たくましいが、どこか嘘っぽい。顔から想像できる肉体と、実視で見ている肉体が違うからだ。
男は本当の姿があまりに貧相になってしまったので、筋肉や骨を霊的技術で増やして無理矢理自分の肉体を理想的な男の体に近づけるのだ。背を高くし、筋肉を増やして肩や胸の狭さをごまかす。
一見美しく見えるが、どこか胡散臭い、おかしい、と感じて、女性は用心するのである。顔と肉体が合っていないのを、微妙な違和感として感じているのだ。
そのカンは正しい。自分を改造して肉体をたくましく増強する男に、ろくなものはいない。
人類の男の肉体は、その罪業によって、だいぶ小さく細くなっている。例外はほとんどない。まれに大きな男がいても、どこかやさしげでなよなよとしている。ヘラクレスのような肉体の男がいれば、それは必ず偽物である。
人類の男には、小さくなることによって、下僕のようにみなのためにあらゆる仕事をせねばならないという、義務が生じているのである。