世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

鷦鷯

2017-04-30 04:17:49 | 花と天使・第2巻


これも写真館から。

錠前の掛け金に巣を作ったみそさざいなどというしゃれたことを考えるのは、あの人です。

確かにこんなかわいい小鳥に鍵を守られたら、開けるに開けられませんね。





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君のために

2017-04-29 04:23:38 | 月夜の考古学・第3館

君のために悲しみを吟ずるのは
はたして君の悲しみを楽にすることなのか
愚かな過ちではないにしても
この奥歯に触れる異物のあるのを
いつも感じるのは
きっと
君の悲しみの方が
わたしのよりずっと大きいからだ



(年度不明、メモ帳にあった詩片)




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眠る月

2017-04-28 04:17:44 | 花と天使・第2巻


前にも同じ図を描いたことがありますが、そのときは周りに生えていたのは、薄紫の薔薇でしたね。

これはナガミヒナゲシをいっぱい描いてみました。

ムジカの詠んだ俳句からとったのです。






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銀の香炉

2017-04-27 04:18:11 | 花と天使・第2巻


これも写真館からテーマを持ってきました。

ツイッターの方で歌を発表してくれている銀香炉は、通好みという世界が好きな人です。

まさに香道のような、ゆかしい趣味が好きな人です。






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糞・4

2017-04-26 04:19:20 | 歌集・夕毬

糞男 たかが女と 言いながら 身代つぶして 借金まみれ


人糞は まけば草なら 生えてくる 毛生え薬は まいても無駄よ


蛆は蛆 憂しと言えども 糞に住め 蠅になっても うるさがられる


させてくれ 直には言へぬ さもしさを 金と食ひ気で さそふ糞かな


糞玉か 金か何かと 問ひし時 玉と答へて 蹴らましものを


柔肌の 熱き血汐を 知りたいな 悲しからずや ふられきる糞


道の辺の 糞は迷惑 野辺にても 実に迷惑 糞の辺にいけ


糞の上に 糞を重ねて 糞になる 糞を洗えば 糞でなくなる


糞なれば 臭き汚き 糞であれ それこそ糞の アイデンティティかな


出るまでの いのちもがなと 走りしに くやしかりける 使用中かな


肥溜めに つけてやろうか この糞め 乱れまみれて 匂い死ぬまで




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貝の小琴

2017-04-25 04:19:36 | 花と天使・第2巻


写真館からテーマを持ってきました。

貝の琴はいろいろな描かれ方をしていますが、ここでは巻貝をイメージしています。

薄紅色をしているのは、桜貝の色が欲しかったからです。






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ヴィーナスのニンフたち・5

2017-04-24 04:55:21 | 詩集・絹の鎖

歌へかし
うぐひの声を
とほき日に
なれの落としし
涙の化身を

白き面を
百合より盗み
わろき妬みに溺れ
汚れし日々に酔ひ
見失ひつつも
奥の間にひそみゐし
あはき光を

蓮の芽のごとく
いとちひさくよわき
それは芥子の粒なれど
消えはせじ
消えはせじ
あえかな歌を秘す

しのびしのびて
いつの日か
朽ちし仮面を捨て
露のごときながら
露と消えぬ
ちひさくも確かな
そのおのれの

おのれのよろこびを

歌へかし





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苦しみを

2017-04-23 04:18:56 | 言霊ノート


苦しみを知らなければ、幸せもわからない。そうだ。生きることは苦しいのではない。生きることが幸せだということを知るために、時々人は、苦しむだけなのだ。


ゾスマ






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すまひ歌

2017-04-22 04:17:33 | 歌集・こてふらん

浅茅生の小野のかたへの青楠に銀の小栗鼠の棲むを見る月    銀香炉

月読は小萩がもとに頭を下げてかそけき紅を露にもらひぬ    銀香炉

はかなくて野に生ふよりは白神の森の小橅とならましものを    夢詩香

森に生ふ橅の思ひは青みつつさざきも棲めぬ枝に月を恋ふ    銀香炉

やすらはで捨てましものをつらぬきて悲しきまでの月を見しかな    夢詩香

久方の月の桂はやすらひてたれ見ることもなき夢の野に生ふ    銀香炉

夢見てはうつろふ色を世の中の人の心の花に染めてき    夢詩香

月読の心の花は玉に生ひとこしへの音をしじまにぞ積む    銀香炉

おしなべてものを思はぬ魚にさへ心も萌ゆる月の思ひ出    夢詩香

しろかねの鮒は歌ひて貝玉の琴のを指も慕ひつるかな    銀香炉

さらぬだに高きがゆゑに銀香炉その歌ならぬ歌な重ねそ    夢詩香

夢うつつ詩の香りをたふとびて銀の香炉は貝と閉づるも    銀香炉

鳴りとよむうづの浜辺に月を見む白き香炉は情けを焚かむ    夢詩香

星月夜都の小寺桔梗咲きほたるつどひて宴を張りぬ    銀香炉

野の夢をちさくきざみて椀に盛りままごとの飯月めしたまへ    夢詩香

久方のあめのかはづはちひさくて野に散る玉のあかしかと見る    銀香炉

まぼろしの朱きすみれは降り来たり野のなよたけを天路にさそふ   夢詩香

天の川岸辺に生ふる白菊の声も流れて琴を染むかな    銀香炉

わらはべのまなかひにすむ白玉に光そへむと歌うたふ月    夢詩香

浅茅生の野に見し夢を風語りとはの月影うすものとなる    銀香炉

こほろぎのひそむ青野のゆふべにてあかずながめしゆふづつと月    夢詩香

雨のごと流るる星をただ見つつかこつ心は子を思ふ月    銀香炉

白雪の鶴は衣を織りつつも甘き飴の実子のために積む    夢詩香

白飴は銀の小瓶に投げ入れてしじまの絹と緒で蓋をせよ    銀香炉

しじまとは月の岩戸の戸のごとき開かぬ神の口かとぞ問ふ    夢詩香

風渡る空行く雁の鳴かぬ音もくすしき神の心かと見る    銀香炉

玉光る天つ乙女は野辺に立つ楠のもとにて神の空見る    夢詩香

奥の間にとほとの笛を聞きとめてつひに去りぬるとはの浄原    銀香炉

去りて後子を恋ふ親のここちして月を求めて野辺をさまよふ    夢詩香

さまよひて散る露の香もあはしまのあはで見ぬべき光かと見る    銀香炉

霧隠るとほとの笛を吹くものは月の露をぞ玉となすらむ    夢詩香

玉藻なすなびく群雲月に映え失せし玉をぞ露にも落とす    銀香炉

手に取りてはかなくも散る白露のおく月影に泣けや雁群    夢詩香

刈り菰の乱れし草に露こもりあをきかはづの玉をやしなふ    銀香炉

夏草の茂く歌へば白鶴の声もとぎれぬ休みませ銀    夢詩香

春風の栞はさみて書をたたみ窓あけぬれば野に梅を見き    銀香炉

野に生ふと君が教へる梅の香は春の心をいかにかは染む    夢詩香

春の風のみや知るべき窓を開け君は知るべし野梅の空を    銀香炉

うすらひに冬引き絶えてまぼろしと見てし春をぞ野梅はよばむ    夢詩香

あからかに光染めむと咲く梅のこころざしをぞたれやつくりし    銀香炉

さきがけの花の香を愛でうたふ君したひつつ問ふいつしまふかと    夢詩香

窓閉ぢているかの星もまどろみぬ神の心を流せ野梅よ    銀香炉

春は来て花はしみらに咲きつもる香りを夢に注ぐよしもがな    夢詩香

眠る子の夢はかひごの時をたり親鳥のごと花や抱かむ    銀香炉

薄紅に染井吉野は群がりて弥生の空もしらみはてなむ    夢詩香

後戻りせぬ佐保姫をかきくどき袖つかみてもおしとどめむか    銀香炉

篠原をまどひありけばなよたけをはぐくむ竹にあひみてむかな    夢詩香

まことなきをのこ玉もて試みぬその裳裾だに触れられもせず    銀香炉

天伝ふ月の通ひ路知りつつもとどかぬものは人の世の風    夢詩香

月影の照らす園生にひとりゐて目も凍て果つるしのびなるかな    銀香炉

かりそめの色をやしほにとどめむとくりかへし凝る痴れ者の群れ    夢詩香

猿楽の舞衣染む花色をなよたけに請ふわらはべの帯    銀香炉

ぬばたまの髪を真葛の緒で結びそよと去りゆく月の面影    夢詩香

思ひてもかなふものかはさしこもる月の白珠神を見つれば    銀香炉

花の色はうつろひゆくもうつろはぬものこそあらめ常世辺の月    夢詩香

春ゆきつ花はかはりつひとはゆく玉の形見を目にも染めつつ    銀香炉

ときはぎの人生航路銀香炉まことを焚きていつはり焚かず    夢詩香

砂を噛む人の心に染む香を練りてまろめつ花をめぐりつ    銀香炉

花を見てたゆたふ夢に踊りつつ人はどこまで朽ち酒に酔ふ    夢詩香

明日見る宴の後の人世草風になびきて憂ひもあへず    銀香炉



    *

  3月3日から5日にかけてツイッターで行われた夢詩香と銀香炉の歌争いを再録しました。





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ヴィーナスのニンフたち・4

2017-04-21 04:22:57 | 詩集・絹の鎖

野の隅の
小さな薔薇のような君よ
君ははかない藪の陰で
誇らしげに咲いているのだ

小さな五弁の花弁は
濃い紅色をしていて
目に染みるようだ
香りはかすかだけれど
甘くて
そばにいるだけで涙が出そうになる

君に出会えて幸せだ
君を見ているだけで
幸せだ
なんて君はかわいいのだろう
ぼくはただの通りすがりの風で
君の夫にはなれないことが
とても悔しい

深く愛したいのに
愛することはできないのだ
なぜなら君には
一番好きな夫がいるから
その人に愛されるのが
気味には一番幸せだから

君に愛されている夫ほど
幸せなものはいない
なんて君はかわいいんだろう
もうぼくは
これっきり君に会えないけれど
神さまの胸にある風の故郷で
またいいことをしていくのだ
そうすれば愛が流れて
誰かが君を幸せにしてくれる

野の隅の小さな薔薇よ
濃い紅の光の
小さな花よ
心から愛しているよ





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