電球を

電球を　星と思ひて　あがめ来し　日々を悔いては　打ち捨てよとふ


王宮の　座を盗みて　旨酒を　美女の器に　酌みて飲む猿


偽物の　王に道化の　服を着せ　北の門より　野にぞ追ひやれ


楽園の　東には添ふ　妻はあれ　宮の北には　見る影もなし


ひのもとの　魂を盗める　猿ありて　すめらみことは　つひに落ちぬる


巨星落つ　音も聞こえず　電球が　落ちて便所の　明かりが消える


虹を吊る　神のまことを　読めもせぬ　猿は再び　都に来るな


千歳経て　すたれきりたる　かんむりを　川に流して　黄泉路に落とせ


東方に　星を見る窓　打ち抜きて　天狼の目に　国を占へ

薔薇の救い

わたしたちはよく薔薇を描きます。

薔薇は真実の花ですから、真実をこの世に広げるという活動をしているわたしたちの、紋章のようなものです。

数ならぬ

数ならぬ身にも心のありがほにひとりも月をながめつるかな


遊女戸々

ちどり千鳥の

風かろき日月の水にひたりゐてちどり千鳥の歩幅にてゆく


青城澄

あをあらし

いくたりも　星の入り来る　瑠璃の籠　けふの語りを　胸にしまへよ


目を伏せて　魂のしりぞく　よりしろの　花ひともとに　天津神来る


うつくしき　すがたをわれと　な思ひそ　神よればこそ　をみなはよしと


もののけと　なりし身を悔い　ものかげに　潜み血を食ひ　神を恨む世


うるはしき　神をほめつつ　我がためと　おもふ心を　いましめよとふ


しきしまの　やまとをのこの　すたれるを　いかにせむとぞ　説くものもなし


ますらをは　かひなみがきて　魂を煮て　あをあらし吹く　野にうちいでよ


虹を見て　うれひに染むる　まなざしを　見初むる者の　うれひを知らず


打ち捨てて　背かれし身の　わづらひに　をなごを責めて　しひたげる馬鹿


早蕨の　萌ゆる春にぞ　会ひみむと　夢にちぎりし　日をなつかしむ

愛の天使

タイトルだけではそっけないので、２巻目では少し何かを書き添えましょう。
文章は、その時々のものが担当します。

この絵に描いてある３人の天使には、モデルがいます。
ただ、かなりデフォルメされているので、これが誰だと教えれば、ああなるほどとわかるというくらいの、似方ですが。

今までに

今までに、度々お話ししようと思ひましたが、御心配をかけるのもどうかと思つて、打ち明けることが出來ませんでした。實を申しますと、私はこの國の人間ではありません。月の都の者でございます。ある因縁があつて、この世界に來てゐるのですが、今は歸らねばならぬ時になりました。この八月の十五夜に迎への人たちが來れば、お別れして私は天上に歸ります。その時はさぞお歎きになることであらうと、前々から悲しんでゐたのでございます。


「竹取物語」

ゆふけぶり

ますらをの　腕をふるひて　をとめごの　乳を盗める　身の恥づかしさ


ゆふけぶり　つまこのために　飯を炊き　けふををさめて　よしとする嫁


あかひもの　長き世を耐へ　神の振る　鈴を拝みて　励めとぞいふ


しづのをの　荒ぶる馬鹿の　吹きすさぶ　世には身を伏せ　口とぢてゆけ


あだしよの　闇をつらぬく　笛ありて　けふより後は　耐へずともよし


たばかりて　身を怠りし　をのこらの　影をよそほひ　世をすくふ姫


しづのをは　たふときものを　侮りて　月をたぬきと　乱れ思ひぬ


みづがきの　神は降り来て　そよ風に　ことしのばせて　世を改めむ


猿の尾を　尻に下げつつ　なり果てし　身をも憂へず　馬鹿がへつらふ

いらくさのなかで

彼女の服装にも、ポーズにも、格別、これといった目立つものはなかったが、レーヴィンにとっては、群衆のなかで彼女を見つけるのは、いらくさのなかでバラを見つけるのと同じくらい容易だった。すべてが彼女のおかげで光り輝いていた。


レフ・トルストイ「アンナ・カレーニナ」

ジンジャー・２

ケイト・ハザウェイが
ルーシー・モードをいじめてるみたいなの
ねえママ
どうしたらいいと思う？

変なグループを作って
ルーシーについて
いやな噂を流してるみたいなの
ヘンリエッタに教えてもらったんだけど

ジェニーやポーリーンもやってるみたい

クラスがそれで
変な感じになってるの
ルーシーはとても困ってるみたい
助けてあげたいけど
何したらいいかわからない

あたし？
あたしは悪口なんか言わないわ
だってそんないやな子になったら
ウォルターに嫌われるもの

そうよね
何とかして
助けてあげられる方法を考えよう
何かあるはずだわ
ヘンリエッタは頼りになりそうだし

ねえママ
クッキーの本貸してくれる？
今度のデートに作ってあげるの
彼ね
犬のトレーナーになるのが夢なんですって
素敵よね
あたし応援するんだ
素敵な料理いっぱい作って

あたしがんばって
素敵な子になる