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第883話 リーダーの言葉の責任

2020年02月09日 | コミュニケーション

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「リーダーとしての役割を任された以上、自分の発言には非常に気をつけた。一度口に出してしまった言葉には絶対に責任が宿る。自分の出した言葉が自分はできているかどうか、できていないのに発言しても僕の言葉に誰も耳を傾けない。発言する前にその行動ができているか一番気をつけて100%できてから発言するように心がけた」

これは、ラグビーワールドカップ日本代表チームの稲垣選手が語っていた言葉です(2019年12月のNHKスペシャル)。

ワールドカップでの日本代表チームが初のベスト8という活躍もあり、大会後にはテレビでも多くの選手を見る機会が増えました。そこで感じたのは選手の受け答えを聞いていると各々がとても魅力的だということです。

そうした中で「笑わない男」として有名になった稲垣選手ですが、冒頭のように自分がディフェンスのリーダーに指名された際に・・・これをなによりも心がけたとのことです。

以前からラグビーに対するストイックな姿勢が印象的だと思っていましたが、この言葉はまさに彼の姿勢を表すものだと思います。この姿勢が日本代表チームが「ワンチーム」として文字通り一つにまとまる、互いに信頼しあう大きな力になったのでしょう。

複数の国の出身者で構成され、年齢やキャリア、文化や考え方も異なる選手をまとめ、ワンチームとして一つの方向に向かうにあたり、お互いの信頼が重要な要素です。その際、リーダーとなる人間の姿勢とそれを表した発言はなによりも大事な要素だと思います。  

その意味ではチーム全体のキャプテンであるリーチマイケル選手もきっと同じ姿勢を持っているのではないでしょうか。

そして、このことはビジネスの世界においても、そっくりあてはまります。年齢や職責など様々な人間の集合体である職場においては、一般的には管理職をはじめとするリーダーは部下に指示するだけではありません。それ以前に手本を示し、相談に乗ったり他の社員のモデルになる役割を持っていたりします。そして、部下は上司の発言や振る舞いをしっかり見ています。

その際に発する言葉が口先だけで中身がまったく伴わなかったり、実は言った本人は全くそれができていなかったり(できるように装っても、すぐにわかるでしょう)となれば説得力はないし、信頼はされません。昔よく言われた「背中を見ている」ということに通じるところです。

もちろん、すべてのことに完璧にするのは難しいでしょう。しかし、たとえできないことであればそれを隠さずに言ったうえで(それは勇気のいることでしょうが)大切な場面での発言に関しては、予めそういった意識を持って自分自身を振り返ってみることが必要ということです。

 番組では稲垣選手の発言を聞いたアナウンサーが思わず、「素晴らしいですね」とコメントしていましたが、私自身も仕事のときはもちろんのこと、それ以外でも発言については責任を持つよう、心がけると改めて考えたところです。

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