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書くことと読むことの関係

2017年04月16日 | コンサルティング

仕事のメールはもちろんのことですが、プライベートのちょっとしたメールのやりとりであっても、内容がとてもわかりやすい人とそうでない人がいます。メールを読み終えた後に、「つまり何を連絡してきたの?」、「結局、私に頼みたいことは何なの?」と首を傾げてしまい、もう一度最初から読み直さなければならないことも少なくありません。

些細な連絡であってもこのような状態ですから、仕事などでまとまった量の文章を書くとなると、その人の力量(文章力)がはっきり出てしまいます。こうした体験をするたびに、文章を書くということは本当に何て難しいのだろうと思います。

では、わかりやすい文章を書ける人とそうでない人の差は一体どこから来るのでしょうか。もちろん、いろいろな理由が考えられるとは思いますが、一つにはその人の読書量(文章を読む量)が影響しているのではないでしょうか。私の経験上、普段から読書量が多い人はわかりやすい文章を書けることが多いようですし、反対もまた然りだと感じています。

さて、4月に入ってから早くも2週間が過ぎましたが、この間、様々な企業に新入社員研修でお邪魔し、大勢の新入社員とお会いしました。

毎回研修の中で、新聞を読んでいるかどうかを質問したところ、受講者30人中、読んでいるのは概ね1~2人でした。そこで、試しに実家では新聞を定期購読しているかどうかを尋ねたところ、数字に大きな変化はありませんでした。新聞を読んでいない人は実家でも新聞をとっていない、つまり新聞を読む習慣がなかったのです。

一般社団法人日本新聞協会のデータによると、2016年の新聞の発行部数は4,300万部で、2000年の5,400万部から大きく減っています。一世帯当たりの部数は1.13から0.78になっており、データから最近では新聞をとっていない世帯の方が多いことがわかります。

次に研修で、新聞を読まない理由を尋ねたところ、想像していたとおり「スマートフォンで確認できるから」がもっとも多かったのですが、果たして新聞を読む目的はニュースを得ることだけなのでしょうか。

新聞を読めば、自身では興味や関心のない記事も同時に紙面から拾うこともできます。一方のスマートフォンではもともと興味や関心を持っている情報のみを拾い読みしているのですから、情報量という点ではかなり限られてしまいます。

しかし、これまでに新聞を読む生活をしてきていない彼らに新聞のプラス面を語ってみても、その良さを経験していないためか、今一つぴんと来ないようでした。

新聞を読まないのであれば、せめて読書はどうかと思い、あわせて尋ねてみましたが、普段から本を読む習慣がある人も皆無に等しいような状態でした。

果たして、書くことと読むことの因果関係があるのかないのか、あるとすればどの程度なのか、これまでそうした調査や研究がどの位行なわれているのかはわかりません。研修で新入社員に尋ねたところでは、ほとんどの人が文章を書くのが苦手とのことでしたので、やはり何らかの関係性はあるのではないでしょうか。

もし、あなたが文章を書くことが苦手だと感じているのなら、文章を書く練習と並行して、まずは身近なところで毎朝、新聞をきちんと読むことから始めてみてはいかがでしょうか。

かく言う私ですが、いつもこのブログを書くにあたっては、テーマを選ぶことから始めて実際に書き終わるまでかなりの時間を要しますし、今日は良く書けたなと自分で思うことは多くはありません。

自戒の念を込めて、今後も新聞と書物は継続的に読み続けていくつもりです。

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