パオと高床

あこがれの移動と定住

金大中が死んじゃった

2009-08-19 08:56:07 | 雑感
18日に金大中がついに死んでしまった。
韓国民主化の象徴であり、そのまま民主化の歴史であり、その体現者であった人物は85歳の生涯を閉じた。
数日前に、金泳三が病院に金大中を見舞い、「和解の時期が来た」というようなことをインタヴューに応えて言ったという記事を見かけて、あれと思ったのだが、本当にぎりぎりでのお見舞いだったようだ。病状が悪く、本人との面会はなかったらしい。

朝日新聞は、1面、「天声人語」、2、8、9,37面で金大中に触れている。その2面の評伝は「不死鳥のような鉄人にして哲人の政治家」と書き出している。持続する志の強さと揺るぎなさ。彼は全身で民主化を発光し、また、民主化の動きを求心していったのだろう。それにしても、よく生き続けられた政治家だったと思う。死地をことごとく乗り越えていく、しかも、ひるまない。より強靱な持続力を発揮する。政治的に抹殺されたに等しい状況の中でも、なお民主主義の実現を見据えていく。現代史の中でのアジアの持つ民主主義獲得の歴史を顕著にあらわしている人物なのだ。

「天声人語」はこう結ぶ。「巨星は墜ちたが、生まれたばかりの雲になって、分断された民族の行方を見守っていることだろう」と。儒教などの「魂魄」の思想を背景に持った、なかなかの結びだと思う。

録りだめしていたドラマの「第五共和国」もラストをむかえている。不謹慎かもしれないが、金大中の人生も、ドラマになることを期待してしまう
コメント
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