パオと高床

あこがれの移動と定住

岸本葉子『そろそろ旅へ モンゴルのおすそわけ』(東京書籍)

2007-04-20 02:01:56 | 国内・エッセイ・評論
以前、この人の旅行記を読んだような。
それこそ、アジア、中国ものの旅行記は面白いものが多い。雑誌「旅行人」などを中心に活躍している人や、イラストと一緒に洒脱な文章書く人など、旅のディープさだけではなく、その旅行先が持っているユニークさや独自性に触れると楽しくなる。岸本葉子さんも名エッセイの書き手だと思う。
「旅のおすそわけ」確かに戴きました。遊牧民の暮らしがあり、水や道路やトイレを心配するゴビと、デモが行われ自由化の波の中で都市化すると同時に都市の問題も抱え込むウランバートルの比較が、さらりとだが的確に書かれている。また、ラクダに乗る体験や車で走る砂漠など、異なる環境での楽しみや発見が伝わってくる。ゴビの音のなさや星の描写はお見事。豊富な写真もよかった。ゴビが、うらやましい。
「そろそろ旅へ」と、また歩き出した著者の旅行記、今後も楽しみ。


コメント
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