いきなりだが、最近買ったCDから。
Madness, Money And Music Deluxe Edition/Sheena Easton
1980年にデビューして以来、順調にキャリアを積んできたシーナ・イーストンの、1982年に発表された3作目のデラックス・エディションである。1枚ものではあるが、オリジナル・アルバム全曲にシングルB面曲、加えてオルタネイト・バージョン等を追加して全20曲、実に充実した内容だ。
本作のプロデューサーはデビュー以来のクリストファー・ニールで、シーナの事は知り尽くしていたのでは、と思うけど、付き合いは本作までで、次作では違う人と組んだはずだ。デビューしてすぐ成功を収めたシーナだが、もっと違う路線を模索していたのだろう。そういう事情もあり、デビュー以来の英国的ポップ路線を楽しめるのは本作まで、という事になる。
ま、とにかく、良いアルバムである。図抜けた名曲はないけど、収録曲はどれも粒よりでグレードが高い。個人的な推し曲はなんといっても「Are You Man Enough」で、なんとなく飛行機のイメージで、いや別に、イントロに効果音が入ってるとかいうのはないけど、なんか飛行機の映像とマッチしそうな曲なんである。当時、シーナの曲が続けてノエビアのCMに使われていた記憶があり、ノエビアのCMと言えばほぼ毎回飛行機の映像が使われていたので、「Are You Man Enough」もマッチするんじゃないかな、とでも思っていたのだろうか。実際、本作収録の「Machinery」はノエビアのCMで流れていた。この曲もいいけどね。メロウな感じの「You Do It」はダイアナ・ロスも同じ時期に取り上げていた。当時、偶然ラジオで聴いたのだ。あ、これシーナの曲じゃん、と思ったのを覚えている(笑) 経緯は知らないが、ダイアナも歌いたくなるくらい良い曲だ、という事かな(笑)
他も良い曲ばかりで、「I Don't Need Your Love」や「Please Don't Sympathise」など、さりげなく良いメロディの曲も多いし、「I Wouldn't Beg For Water」「In The Winter」といったバラード曲では、新境地を開拓した感もある(後者は、ご存知ジャニス・イアンのカバー)。前述したように、次作からはTOTOのメンバーを起用したりして、アメリカンな産業ロック路線に向かうので、ウェット感も漂わせるブリティッシュ・ポップス路線は本作が最後だ。それだけに愛しく感じるアルバムでもあるな。今回、実に久々に通して聴いてみて、改めて感じたが、派手ではないものの、がっちりと聴く者を虜にするアルバムである。完成度も高い。やっぱりシーナはいいな^^ やはりデラックス・エディションが出ている「A Private Heaven」も改めて聴いてみたくなってしまった^^;
続いては、
以前にも少し触れたが、型式に縛られることのない活動を行っていた中森明菜が、1986年に発表した問題作が『不思議』であるのだが、それに収録曲のうち5曲(+1曲)の別バージョンが収録されたのが、ここに紹介する『Wonder』である。1988年発表。ミニアルバムという体裁だった。
『不思議』以降、中森明菜は実に充実したアルバムを連発していて、山下達郎とのバトル(笑)の原因となった『Crimson』、全曲英語の『Cross My Palm』、いわばシングルのボツ曲で構成されたにしては、ひたすらグレードの高い『Stock』と、ほんと絶好調だった。そんな中でリリースされた本作は、位置付けとしては企画物みたいなもんで、前述したように『不思議』の収録曲を、ミックスを変える等して新たに収録しただけ、と言えなくもないが、ま、これが実にいい感じなんである。さすがにボーカルが聞こえるようになったので、『不思議』感は薄れたけどね。
何度も言ってるけど、この時期(80年代後半)の中森明菜の充実ぶりは、ほんと素晴らしいものがあった。デビュー40周年を記念して始まったアルバム再発をきっかけとして、僕も改めて中森明菜を聴いているのだが、彼女の凄さを今更ながら再認識している。いやほんと、またあの頃のように、我々の前に姿を見せて欲しいと思わずにいられません。
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