好天に恵まれた３が日

　　　　　　　　ボケは今に始まったことではない・・・

　３日，伊東近辺で見せたいところが少しあるという。城ヶ崎に着こうかというときになって，乗車券はどこにある？。伊東から熱海を経由して帰広することも考えて乗車券と新幹線代は払っておいたが，昨夜，帰路の打ち合わせのため私が若夫婦の部屋に持って出たという。トランクを空けて・・・，どこにも見えない。丹前の懐に入っていることも考えて宿に電話。10分後，再連絡で，部屋のゴミの中にあったという。今年2度目の物忘れ。1度目は出発時に小銭入れをポケットに入れたつもりが姿が見えない。帰宅するとテーブルの上にしっかりと鎮座していた。

　城ヶ崎は眺めも良かったが，更にすばらしかったのが“大室山”。すり鉢を伏せたような形のよい山で，周囲はすべて萱がびっしり。往復420円のロープウエー代で，あまり期待してなかったのだが，なんとなんと。終着点はどんぶりの周囲を一周できるようになっている。
　伊東市街地をたどって目を上げると，熱海の温泉街が見え，時計回りに移動するにつれ駿河湾，遙か遠くに房総半島，そして伊豆七島，高い山ではないので伊豆半島の全貌を観察するわけにはいかないが，遙か西方に南アルプス，続いて，お待ちかね富士山が登場なさる。
(今回は不可能でしたが，機会があればこの航空写真をお見せしたい)

　山頂では景観に酔い，下山しては物産館の二階で地酒と焼酎に酔ってしまった。若夫婦には申し訳ないと思いつつ，ぐっすり眠って三島駅まで送ってもらう。
　駅に到着すると，これ渡しておいてくださいと，封筒をかみさんに預けて二人は早々に立ち去ろうとする。さぞ首を長くしてご両親等がお待ちだろうと預かって，かみさんが中を確認すると，他の孫へのお年玉のようだ。突然，お父さんこれ返してと，かみさんの叫び。
　せっかくの心遣いに対してなんということを，と，かみさんの手もとには５人分の年玉袋。私たちへのものまで入っている。さてはと見廻したが姿が見えない。駐車場に車はあるが人はいない。走り回ってようやく発見。腰の痛い年寄りを走らせてなんということを，逆ではないかと説得しても受け取らない。かといって，息子の嫁さんの懐にポチ袋を押し込むわけにもいかない。

　薄給の身で子育てをしながら，出来の悪い２人に温かい心遣いをしてくれる嫁に感謝し，「こんないい新しい娘ができるなら，もう少し息子を作っておくのだった」と無い袖を振りながら，差し入れられたビールを飲み干して帰宅。