小島と広島と私たち

島爺の倉橋島での農作業と,
広島を中心とした孫たちとのくらし

シカ脅しの準備

2010-01-18 21:45:22 | 農業塾OB会


 シカが遠慮してくれればいいが・・・
 白木農園だよりに,小麦が発芽し始めたという報告がある。同時に,シカがした見に来たらしい足跡が散見できるという。これからがシカ対策の本番だ。

 以前,「腰蓑?」として記載したシカ対策用の荷造り紐をOB会会員で手分けして大量にこしらえたようだ。白木圃場の周囲にそれを吊すという。支柱を立てロープを張って,ということになるのだが,今日はその支柱となる竹の切り出し。

 会員のKさんの用山で竹を切り出すためにYさんと同行したが,既に竹はKさんの手によって切り倒されていた。3人で協力し,約1.2mに切りそろえ,クイとなるよう一方をとがらす。
 9時に作業開始で,11時前には作業を終了。約100本のクイが出来た。
竹藪は南向きの斜面,作業はKさんのお宅の庭で,温かくて助かった。 

 21日(木)には,白大豆の選粒と,シカ対策のロープ張り。
平日のため私は参加できないので,クイの運搬はTさんにお願いすることになる。
その様子は夕方には白木農園だよりに掲載されるだろう。

さてこれで,シカが遠慮してくれればいいが。

 Tさんのお宅に出来上がった竹のクイを届けたところ,立派なカリフラワーとサラダ水菜をを頂戴した。仕事を依頼する方が,逆に素敵なものを頂戴して申し訳ない。Kさん宅でも,お茶とおいしいお茶請けを頂戴した。
 農業塾OB会のメンバーは,こうしてただでは帰さない。
  

ニッポンの農力2-1

2010-01-18 21:28:41 | 農業塾OB会
 ニッポンの農力=コメはよみがえるか 《'09.11.25:日経》

 輸出国オランダに学べ
 10月半ば,ドイツのケルンで開かれた世界最大級の食品見本市「アヌーガ」。会場に「寿司セット」と書かれた商品が展示された。電子レンジで温めるだけで酢飯になるパック米飯に,のりを付けた。炊飯器のない海外の家庭で手巻きずしを食べてもらおうと,コメ卸最大手の神明が開発した。
 原料はみな穂農協から仕入れるコシヒカリを使う。バイヤーから「発売はいつか」との問い合わせが相次いでいる。

 神明が初めてコメを輸出したのは昨年。2009年産はパック米飯分を含め330㌧。11年度は1000㌧を輸出する計画だ。援助米などを除いた日本の輸出量は08年で1294㌧と生産量の0.02%にすぎないが,神明の取締役は「主要生産国の輸出余力が低下しており,日本のコメにも活路はある」と言い切る。

 有数のコメ生産国インド。干ばつなどの被害で,米農務省は今年の生産量は昨年より1600万㌧少ないとみる。日本の2年分に匹敵する量で,09~10年度に40万㌧の米を輸入する見通し。本格輸入は21年ぶりだ。

 シカゴ商品取引所のコメ先物相場は上昇し,年初来安値をつけた3月半ばより3割強高い。アジア各国の輸出制限が,民衆の暴動につながった08年のコメ危機の構図は変わっていない。

 農家の意識も変わりつつある。宮城県登米市のコメ農家Gは「ササニシキ」を今年1月,初めて香港へ輸出した。生産した130㌧の3割を輸出にまわした。「コメがさらに国内で余れば輸出が必要になる。今のうちに販路を確保しておきたい」と話す。

 輸出を拡大するにはコメの価格を下げる必要がある。ただ,戸別所得補償制度の導入と合わせてコメの生産調整(減反)が緩和されれば,生産量は増え国内の米価も下落する。紙上を外に求めるか否かにかかわらず,生産コストの削減は待ったなしだ。

 新たな取り組みも始まっている。成果を上げているのが「直播(ちょくは)栽培」。種籾を苗に育ててから田に植えるのでなく,直接水田に種もみをまく。伝統的な「田植え」を省略することで,作業時間を減らす。

 積極的な福井県では,直播に合った専門の農機や水管理,肥料などの各技術を組み合わせてノウハウを体系化し,農家に提供している。南江守生産組合(福井市)では稲作の4割にあたる16.6㌶が直播だ。組合長は「資材や人件費などを含めた生産経費が半減した」。

 高知市では10月下旬,夏にコシヒカリを刈り取った水田で農家が今年2度目の収穫作業に追われた。40年ぶりに再開した「二期作」の光景だ。
 Nは,「水田や農機をフル活用でき,収入を増やせるのが魅力」と話す。減反政策で封印された二期作が復活したきっかけは「飼料米を作ってほしい」という地元の酪農組合からの要請だった。減反政策がなくなれば,「二期作目を飼料米から主食用米に切り替えたい」と意欲をみせる。狭い農地でも資本効率を高めれば,コスト競争力は高まるはずだ。

 
 主要国の農業政策に詳しい経済協力開発機構(OECD)のシニアエコノミストは,「日本の農業の成長は輸出にかかっている」と指摘する。耕地面積が日本の2割しかないオランダが好例という。酪農や花き栽培が盛んな同国の農産物輸出額は過去5年間で2倍になり,米国に次いで世界第2位だ。
 
 オランダ東部の「フードバレー」と呼ばれる地域には,農業分野で名高いワーヘニンゲン大学を核に研究期間やネスレなどの多国籍企業が集積。1万人以上の科学者が農業技術や品種改良,食品の安全評価などに関する研究に取り組む。同国首相は「大学から企業,企業から農家へ,技術・知識の移転が効率良く進む」と成長の原動力を明かす。

 コメが余る日本と,不足する世界。この溝を埋めることが出来れば,日本の稲作は縮小均衡から抜け出せる。

柿の剪定

2010-01-18 19:15:02 | 島の生活

 松1/3本と,柿5本

 ラジオ放送の『日の出・日の入り時間について』で,「福岡地方では,明日16日が1年で最も遅い日の出となります。今後は日一日と日の出が早くなります」ということであった。広島地方もこれに準じているだろうが,日の出が少しずつ早くなるのは何かと嬉しい。土日はおだやかな晴天が続いたが,島でもやはり寒かった。

 木々の剪定が残っている。庭に小さな松が2本あり,春に若芽つみをしただけだから,葉が生い茂って見苦しい。正月前に済ませるところだったが遅れている。
 小さいといえど手間がかかり,少しでも陽が陰ると寒さが応える。菜園場で鍬を振って暖まる。
今回の島での主な作業は,松2本のうち1本の1/3程度を剪定。山の畠で,富有柿5本の剪定にとどまった。

ニッポンの農力-1-2

2010-01-18 00:15:24 | 農業塾OB会
 データ&キーワード《'09.11.24:日経》

 減反
 減反とは,コメの生産量を減らして需給のバランスを取り,価格維持を狙う一種のカルテルをいう。
 戦後,栽培技術の向上や農機の普及でコメの生産量が増える一方,需要は1960年代に頭打ちとなる。そこで生産そのものを減らす減反が始まった。 
 農水省は毎年,都道府県ごとに生産目標を設定し,自治体や農協が農家に作付け面積を配分する。2008年の生産目標は815万㌧。面積に直せば154万㌶で全国の水田耕地面積の4割弱が減反対象になっている。

 コメの代わりに麦や大豆などを作れば補助金を支給する。09年度の補助金は補正予算を含め約3000億円に達している。それでもコメの価格は下がっている。需要が減り続けているためだ。
 生産を縮小しても価格が下がるなら,減反に加わらない農家が増えてもおかしくない。農水省の07年の調べでは不参加の農家は全体の3割。08年の生産面積は目標を3.5%上回り,目標を達成したのは27道府県にとどまる。特に東日本に目立ち,08年産の場合,生産量全国8位の千葉県は目標を24.1%上回り,4位の福島県も18.2%超過している。

 減反政策は大規模農家にも生産減を強いた結果,生産効率の改善を遅らせ,参加しない農家は不正直者という無用なレッテル張りも生んだ。機能不全の仕組みには,ゆがみばかりが目立つようになっている。