それはまた別のお話

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「グレイテスト・ショーマン」

2018-02-21 | 映画
19世紀に活躍した伝説のエンターテイナー、P・T・バーナムを『X-MEN』シリーズや『レ・ミゼラブル』などのヒュー・ジャックマンが演じるミュージカル。空想家の主人公が卓越したアイデアと野心で世界中を熱狂させるさまと、ロマンチックな愛の物語が描かれる。監督はマイケル・グレイシー。ミシェル・ウィリアムズやザック・エフロンらが共演。『ラ・ラ・ランド』で第89回アカデミー賞歌曲賞を受賞した、ベンジ・パセックとジャスティン・ポールが音楽を担当している。


ミュージカルファンなのに「ラ・ラ・ランド」がそれほど刺さらなかったワタシ。
世間の評判がイマイチ理解できず、自分の感性が衰えているのか…?と少し落ち込みましたが、
この映画はそんな心配を払拭、というか溜飲が下がる作品でした!

冒頭の20世紀フォックスのロゴが出てくるところ、ミュージカルで言えば「M0(幕開き音楽)」から高揚度がスゴイ。
そこからも大ナンバーが次から次へと、メインタイトルの「THE GREATEST SHOW」も「THIS IS ME」も本当に素晴らしくて、
同じ曲が何度もリプライズするのもミュージカルならでは。
そして何よりミュージカルに大切な「歌によって物語が進んでいく」というところ!

主人公の紆余曲折な人生を中心に描き、パートナーのLOVEを横道に挟んではいるものの、
ストーリーは薄く、なにか教訓が得られるとか、深く考えさせられるとかはほとんど無いに等しい。
そもそも上演時間が105分なので、登場キャラひとりひとりを掘り下げる余裕もなかったのかな。
ミュージカルの舞台って一幕が通常90~100分間なので、それに合わせているのかも?と考えてしまいました。
展開も早いし、歌の洪水を浴びながら観るのにはそれなりの耐久時間があるってことなんだよね…

貧困のあまりパンを盗む子供時代のエピソードや、若者をお姫様抱っこして救出する場面は「レミゼ」を彷彿とさせます。
話の骨格はアニメ映画の「SING」にそっくり。
フリークスを出演させるのは「見世物小屋」を連想させるし、あることないこと言って成り上がっていくバーナムの行動は限りなく胡散臭さに満ちているけれど、そこはヒュー・ジャックマンの好人物度がかき消してくれている感じです。
パートナーのザック・エフロンに後を託す場面では「SHOW MUST GO ON」って言い残していくんですよ!
これほどのカッコ良さがどこにあるんだ!

と限りなく「舞台のミュージカル」に近い作品でしたが、だからといって舞台化は難しそう。
動物や花火が満載のサーカス小屋のシークエンスは映画ならではの迫力でした。
今度はIMAXで鑑賞してきます!
コメント
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