イワシの翻訳LOVE

はしくれトランスレータ「イワシ」が、翻訳への愛をつれづれなるままに記します。

あのときぼくらは18才だった ~この蒼き日々からの卒業~ 22年ぶりで西舞鶴高校同窓会な夜 その1

2011年01月08日 00時22分57秒 | Weblog


赤い夕陽が 校舎を染めて ニレの木陰に 弾む声
ああ高校三年生 ぼくら 離れ離れに なろうとも クラス仲間は いつまでも

泣いた日もある 怨んだことも 思い出すだろ なつかしく
ああ高校三年生  ぼくら フォークダンスの 手をとれば 甘く匂うよ 黒髪が



本当に信じられないのだが、22年前、僕は花の高校3年生だった。当たり前なのだけど、あのときはまだ、生まれてからたったの18年しか経っていなかった。肉体は若々しかった。ハートもまだガラスのように繊細で脆かった(が、ガラスのハートなのはいまでもまったく変わっていない、というかむしろ年々さらに脆くなっている)。顔にはあどけなさが残っていた。自分でいうのもなんだけど、睾丸の、じゃなくて紅顔の美少年だった(と、この際そういうことにしておこう)――ともかく、僕は18才だった。

そしてさらに信じられないのだが、僕は去年、40才になった。冗談は顔だけにしておくつもりだったのに、存在すべてがジョークになってしまった。40才ってなんだ? アウストラロピテクス? シーラカンス? 当時の自分から見れば、40になった自分なんて、まったく想像できなかった。それは完全に異次元の世界の住人、四次元空間に基地を構えるイカルス星人に等しい存在だった。そしてイカルス星人をひきあいに出す当たりが、いまの僕はやっぱり立派なオッサンだった。おもいつくのは昭和なネタばかり、それもオヤジギャグばかりなのだ。


「40才」の意味を辞書で調べてみたら 「オッサン」という定義が載っていたよ このネタは昭和に流行ったネタ ああ、そうだね オヤジギャグの花が咲いている
(※原曲不明)
♪ 

だが僕は40才になったことを悔やんでいたりはしない。正直、ときには18才に戻ってもう一度人生をやり直せたら、と願わないでもない。だが、そんな非現実的な夢想に浸るのが時間の無駄だと身にしみてわかるのもまた40才。振り返れば、後悔は山ほどある。あのときああしていたら、こうしていれば・・・と、タラレバを浮かべながら、鱈とレバーを肴にビールを飲むこともある。だが、いいもわるいもひっくるめて、これまでの人生をなんとかまとめあげ、「これがあっしでございやす」と世間様に肩肘張らずに顔出せるようになる、そんないい意味の諦念が自然にうまれてくるのもまた、不惑という年頃なのだ。

だが、ひとこと言っておかねばならない。

当時と比べれば、少しは大人になったのだろう。いろんな経験もした。体重も増えた。傍目からみれば、どこにでもいる40才にみえるかもしれない。しかし――、中身は子どものときから変わっていないのだ。

それまでもうすうす感じていたことなのだけど、最近になってはっきりとわかりかけてきた。人は真の意味において、生まれたままの自分以外の何者かにはなれないのではないだろうか。自らの核ともいうべき何かから、まったく別の何かに変態することはできないのではないだろうか。単なる変態にはなれるかもしれないけど。

生まれたときから死ぬまで常に自らと共にあるアイデンティティ-は、40になってもまったく変わっていない。だからたぶん、死ぬまで変わらないだろう。

気がついたら、ずいぶんと年をとってしまっていたことにも驚いた。だけど、これだけ年をとっても、5才のときも、10才のときも、18才のときも常に自分の中心にいた何かが、まったく変わらずにここに存在していることに、もっと驚いたのだ。

*

去年の9月30日、大きな仕事を終えて廃人のようになりながら、ずっと放置していた家の大掃除をしていたとき、一通のメールが届いた。

高校、2、3年のときの同級生だった、柔道部の"炎の払い腰"こと森脇からだった。

1989年3月、僕たちは京都府立西舞鶴高校を卒業した。われわれ3年2組には、獣神サンダーライガーの生まれ変わりと呼ばれていた坂本”山田恵一”Q(あだなは「きゅう」)を筆頭に、最高に愉快なメンツが揃っていた。

心がざわめく。

さっそく返事をすると、森脇がすぐに電話をかけてきてくれた。22年ぶりだ。めっちゃなつかしく、嬉しい。ちょっとは緊張したけど、びっくりするくらい昔と同じ感覚で話ができた。ほとんどの同級生は舞鶴にいて、会う機会も少なくないらしい。「児島は何やっとるんやろうなあ」と、僕のことを話題にしてくれることもあったみたいだ。で、浜田と金沢の友達が僕を見つけてくれたように、森脇がグーグルで僕のブログを見つけてくれたのだ。あいつは何しとる、あいつはどうしとる、と、森脇がクラスメイトの近況を次々に教えてくれる。とにかく懐かしい、脳内で懐かしさの雪崩現象が発生。雪崩式のブレーンバスターでマットにたたきつけられたような衝撃の懐かしさだ。おもむろに、森脇から思いがけない科白が飛び出した。

「来年の正月に同窓会やるで、よかったらきてや」

(続く)

P.S. 浜田のみんな、浜田旅行記が終わってないのにあらたな旅行記を始めてごめん! 記憶の新しいウチに同窓会レポートを書いて、そのあと必ず浜田レポートの続きを書きます!

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4 コメント

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楽しみです! (くまぼぼ)
2011-01-08 01:17:01
素敵な同窓会のお話ですね^^わくわく。

そうですよね。変わっていくもの、変わらないもの。その両方を大切にできたらいいなあ。

これからのお話楽しみにしています!
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変態したのは僕だけ? (イワシ)
2011-01-08 02:02:16
コメントありがとうございます!

外見や置かれている環境はたしかに大きく変わった部分もあるけど、変わらない部分も大切にしていきたいですね~。

実際、みんな外見もあんまり変わっていなかったんで、びっくりでした!
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楽しみにしてたよ! (炎の払い腰M)
2011-01-10 23:24:41
先日はお疲れ様でした~!^^
しかしほんと笑ったよね~。特に、元アジアタッグチャンピオン、グレート小鹿&大熊元司のコンビを彷彿させる、大石とQのゴールデンコンビには、笑わせてもらった!
М尾の絶妙なツッコミも相変わらずで!!^^
 ほんとみんな変わってなかったよね~!昔と同じ感覚だった!ほんと楽しい時間が過ごせたよ!

続き楽しみにしてま~す!
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最強タッグ! (いわし)
2011-01-10 23:32:49
コメントありがとう!

ホンマに楽しかったね~!最強コンビも健在!あのころからまったく衰えを知らないふたりのタッグに感動したよ~ ^^
しかしその面白さを最大限に引き出していたのは君だ!
明日くらいにまた続きをアップします!
本当にありがとうね~!

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