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アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。
アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

1月7日の産経新聞の「話の肖像画」で福岡ソフトバンク ホークス球団会長の 王 貞治さんがこんなことを語っていました。

王さんは、二卵性双生児として生まれて、お姉さんがいらっしゃったのです。

お姉さんに比べて貞治さんは小さく生まれたため、死ぬかもしれないと思われていたのだそうです。

ところが、1歳を過ぎた頃、お姉さんが亡くなり、その後、貞治さんはすごく元気に育っていきました。

そんな貞治さんにお母様はよく言っていたのが次の言葉でした。

「お前は”2人分の力”を持っているんだから。体も強くなったし、運もあるんだよ」

お母様の言葉を信じた貞治さんは、高校やプロでも練習で苦になったことは一度もなかったそうです。

何せ”2人分の力”が支えになっていたからです。

*産経新聞2020.1.7 10:00 【話の肖像画】福岡ソフトバンクホークス球団会長・王貞治(79)(6) 双子の姉…そして野球部の兄


この言葉から私は、仏教の【代受苦(だいじゅく)】という言葉を連想しました。

【代受苦】というのは、他者の苦を代わって受けることで、菩薩の行の一つとされています。

もしかしたら王さんのお姉様は【代受苦】によって貞治さんの身代わりになったのかもしれず、本来ならば普通に育って得られたもしれない生命を王さんに与えたのだとも捉えられます。

貞治さんからすれば、お姉さんが代わって苦しみ受け、命を削ってくれたお陰で2人分の命を生きられているとも言えます。

この論法からすると、お姉さんが貞治さんに対して【代受苦】になり、貞治さんはお姉さんに対して【代授生】ー 私の造語で、代わりに生命を授かること― だと言えます。


実は、私にこんな体験があります。

私より2カ月遅く生まれた従弟がいました。

彼は、幼くして小児麻痺に罹り、会話も一切できず、もちろん学校に行くことも叶わず、私が18歳の2月にこの世を去りました。

私はちょうど、受験の日と重なっていたため確かお通夜の日に彼の家に行き、叔母(私の従姉でもある)にこう言ったことを覚えています。

「僕は、はーちゃん(彼に対する呼び方)の人生をも生きることにします」

彼の両親は、私をとりわけかわいがってくれました。

私が大学に入った翌年の2月に私の父の会社が倒産したのですが、そのことを不憫に思った叔父は、自動車運転免許を取得するためのすべての費用を出してくれました。

私が家を建ててから叔父・叔母をお招きしたときには、私の娘と息子を、まるで自分の孫のように見ていたことが思い出されます。


ここ数年で尊敬していた次兄を筆頭に私にとって大事な人たちを次々と喪っています。

その人たちの無念さ、やるせなさを受け止め、彼らが生きて実現したかった様々なことを私が身代わりになって果たしたいと思う【代授生】の想いが私の日々の行動とミッションを支えている、と感じるこの頃です。

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