おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
4月22日(土)は1日休み。
家でゆったりしていました。
さて、「憧れという勇気づけの力」シリーズの第3回目。
憧れを育てることが教育の基本だという話を書きます。
まずは、東京大学の野球のユニフォーム姿に憧れた40歳の新人投手(医師)の話から。
2017年4月15日15時36分配信の朝日新聞デジタルに次の記事が載っていました(大坂尚子記者)。
東大の40歳投手、六大学新人戦に登板 初球はナックル
概要は次のとおりです。
東大教育学部の40歳右腕が東京六大学のマウンドに上がった。
今季からリーグ戦方式に変わった新人戦「フレッシュリーグ」が神宮球場であった15日、慶大戦で3年の伊藤一志が先発。
1回4失点とほろ苦いデビューとなった。
愛知県出身。
中学、高校と野球経験はなかったが、愛知・東海高2年時にテレビで東大が法大から勝ち点をあげるシーンを見て、東大のユニホームに憧れた。
東京都内の医大に進学し、硬式野球部で活動。
医師になったが夢を諦められず、仕事をしながら再受験して東大に合格し、1年時から入部を果たした。
伊藤一志さんの場合、医師をしながら受験勉強をし、東京大学に合格したのが37歳でしょうから、東大のユニホームに憧れてから20年後に夢を実現したことになり、憧れが自己勇気づけ・自己教育に生かされたことになります。
憧れには、どうやら教育的な効果もあるようです。
齋藤 孝氏(明治大学教授)の『教育力』(岩波新書、700円+税)に憧れを教育と結びつけて次の記述があります(ご本人は「あこがれ」として表記)。
私の考える教育の基本原理は、「あこがれにあこがれる関係づくり」だ。
新しい世界にあこがれ、燃えて学んでいる人は、魅力を放っている。
その人の「あこがれ力」に触発された人は、自分も学びたくなる。
教育の基本は、学び合い刺激し合う友情の関係だ。
「まえがき」P.ⅱ
序章「教えること、学ぶこと」(P.1)には、憧れは心のエネルギー(活力)を高め、学ぶ意欲に火をつけるとも書かれています。
教育の根底にあるのは、あこがれの伝染である。
何ものかを価値あるものと認め、そこに心のエネルギーを注ぎ込む。
何ものかを目指して飛ぶ、矢のようなベクトル。
それがあこがれだ。
(途中略)
「~したい」というあこがれ(願望)が、学ぶ意欲に火をつける。
このように捉えてみると、教育に従事する人たちは、学校教育でも社会教育でも「憧れを育てることが教育の基本」であることを尊重しなければなりません。
◆齋藤孝先生の憧れを育てることが教育の基本だとする考え方は、次のブログでも紹介しています。
2014年1月29日付けブログ 本の紹介:『齋藤孝の相手を伸ばす!教え力』
<お目休めコーナー>4月の花(23)
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