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Individual Psychology of Alfred Adler (Torchbooks)
Harper Perennial
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ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
先日、P.ティリッヒ著『生きる勇気』(原題“The Courage to Be”、大木英夫訳、平凡社)から「勇気」に関する表現をご紹介しました。
今にして思えば、優先順位が違っていました。アルフレッド・アドラー(下の写真、1870-1937)を先にしなければなりませんでした。
そこで、アンスバッハー夫妻がアドラーの著書・論文を集大成した“Individual Psychology of Alfred Adler ”(Torchbooks、『アルフレッド・アドラーの個人心理学』)から4つほど選んで、アドラーの「勇気」に関する記述を紹介しておきましょう。
・人生でゲームを演じ、協力し、分かち合う個人の活動のみを勇気と呼ぶことができる。(P.166)
・勇気は、共同体感覚のもう一方の側面に過ぎない。(P.342)
・個人心理学(アドラー心理学)による[カウンセリングや教育による]対処(treatment)の狙いは、常に人生の諸問題に直面する個人の勇気を増進することである。(P.362)
・私たちは、勇気を協力のもう一方の側面と理解することができる。(P.437)
こうしてアドラーの勇気の表現をしみじみと味わってみると、アドラーが(1)勇気を共同体感覚(その表れが協力)と切り離せないものとし、(2)勇気をライフ・タスク(人生の課題)に直面したとき試されるもの、そして、(3)カウンセリングや教育の目標は勇気を高めること、であるとしていたことが理解できますね。
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