おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
研修講師のTKさんからお聞きした彼女の配偶者(「Kさん」とします)の体験。
Kさんは東京大学の大学院の修士課程を修了し、某化学会社に勤めたとき、「これからは人間を相手にしたい」と、ホテルマンに転進を志しました。
ところが、本気度を疑われたのか、簡単に採用ままならず、派遣社員として一流ホテルの「ウェイター」からホテルマンのキャリアを出発させようとしていました。
そんなある日、大企業の社長夫妻が5歳の孫を伴い、そのホテルに食事をしにやってきました。
慣れないウェイターのKさん、緊張したのか、5歳の子どもの頭の上に水をこぼしてしまいました。
「ああ、これでホテルマンの夢消滅」と思い、氷ついていたとき、社長夫人がさりげなく声をかけました。
「水も滴(したた)るいい男!」
子どもの着替えを終えてからレストランのマネジャーに社長夫人は言いました。
「このことであの青年を叱ったりしないでね。失敗は誰にでもあるものです」
社長夫人のとっさのひとこと、その後のフォローによって、このウェイターは命拾い。やがてKさんは、正社員になり、若くしてそのホテルの部長になりました。
<お目休めコーナー> 通勤途上の花③