俳句は、はっきり言った方が良い場合と、言わない方が良い場合がある。この句は、はっきり言わなくて良かった好例。
「あなた」を「夫や妻、親や子供、親友・・・」などと、具体的に言ってしまうと生々しすぎる。「あなた」とぼやかすことによって、読者は、自分の経験に合わせて、人を選ぶことができます。
「いなくて」も曖昧ですが、「死んだのでいない、離婚したのでいない、転勤したのでいない、旅をしているのでいない・・・」などと色々選ぶことができます。
年月だけは、5年とはっきり言っていますね。しかし、5年というのは微妙な年月です。忘れるには短すぎるかもしれない。忘れてようやく立ち直ったのかもしれない。私の場合は・・・・様々な解釈を読者に与える、余裕のあるいい句です。
中7が字余りですが、この場合は問題ないと思います。
評を拝見し、≪鑑賞にも力量が示される≫ものだというのを悟りました。
私もこれから他人様の句を読むときには、もっと感性を研ぎ澄まして広く深く鑑賞したいと思いました。
お言葉のように私も季語に添って作るようにしました。
優さんのブログ見せていただきました。とても楽しかったです。ここのブログの句を読ませていただいているときは男性の句だとずーと思っていました。