一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

594  時鳥厠半ばに出かねたり  漱石

2012年05月25日 | 

(ほととぎす かわやなかばに でかねたり)

 厠(トイレ)に入っている時にホトトギスの初音(忍び音)を聞くと、凶事があるとされていて、その場合は、即座に犬の遠吠えの真似をすれば、災禍を福に転換できる、とされていたそうである。

 宮中での天皇の即位や新嘗祭、元旦などに、狗人(いぬびと)が吠声(はいせい)を出して悪霊を追い払ったのが、どうやら元祖らしい。

 明治40年頃、時の総理、西園寺公望は、恒例の雅園に漱石を招待したのだが、漱石は手紙に掲句を書いたそうです。つまり、「厠でホトトギスが鳴いてしまい、すぐには出られないので、欠席します」この句は当時、世間で大いに話題になったとか。

 チャキチャキの江戸っ子の漱石は、戊辰戦争で大参謀だった公望が大嫌いだったそうで、この句を公表したのも、公望への当てつけだったのではないか。

ミズキ(水木)  ミズキ科ミズキi属の落葉高木



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