一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2275  遠き日の破滅派いずこ桜桃忌  鯨児

2022年07月03日 | 

「破滅派」とは、フランスのまだ何者でもなかった若者たちが、安アパートに集って安いワインに酔いながら、まだ予算さえ確保できていない映画の計画について無謀な思い付きを塗り重ねていた頃から始まった、という。その後、ゴダールやトリュフォーたちが映画監督になり、ヌーベル・ヴァーグの旗手として新しいフランス映画を立ち上げていった。

  一方、桜桃忌は、入水自殺した太宰治の忌日であり、坂口安吾、石川淳、織田作之助らと共に、「無頼派」と呼ばれている。太平洋戦争後の混乱期に始まった、破滅へ向けての生活無頼であり、又旧態を打破し新しい文学の追求も視野に入れていた。私は、割腹自殺した三島由紀夫も無頼派に入れても良いのではないか、と思っている。

 いずれにしても、破滅派も無頼派も、どうやら消滅した模様である。六十年代、七十年代の日米安保闘争の戦士達も、悲しいかな安穏とした老人生活を送っているのであろう。

 ところが、最近の日本では、作家の高橋文樹が、二〇一〇年ウェブサイト上に無頼派の流れを汲む第二の「破滅派」を立ち上げた。乞うご期待である。

ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草)


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