椋鳥の来てあつき紅茶のほしきころ 一煌
木の実落つきびしき音にハッとする
椋鳥や女同志という疲れ 洋子
人生の今どのあたり烏瓜
虫時雨となりの夕餉ライスカレー 歩智
落蝉や仔犬の餌になりにけり
色さまざまさまざまに揺るる秋桜 稱子
柿食めばパリンと秋の音のして
化粧水ぱっぱとつけて秋日和 薪
秋天や鉄棒男の大団円
烏瓜カラスというに何故赤い 炎火
椋鳥やスクランブルの交差点
鰯雲端よりほぐれ暮の道 鼓夢
朝冷や味噌汁熱き独りの餉
奔放な竹の撓りや秋の風 豊春
騒擾や駅の欅に椋鳥の塒
椋鳥やどこへも行かぬ髪を切る 雲水
遊糸飛ぶいつかどこかで会った人